過去の連携ニュース

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【2021年3月】連携ニュース

ドクターメッセージ
泌尿器科
過活動膀胱の新しい治療
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を開始
 泌尿器科長
福多 史昌 (ふくた ふみまさ)

札幌医科大学 平成11年卒 
【認定医など】

日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本排尿機能学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
泌尿器科の現況

常勤医1名増員で3名体制に強化

近年、当院における泌尿器科患者の増加に伴い、手術件数も増加し、
これに対応すべく2020年4月より泌尿器科常勤医が3名体制となりました。
これにより、突発的なイベントに対する対応力が上がりました。
また、これまで大学病院からの応援が必要であった手術も、当科医師のみで完結できるものが増え、
手術の日程調整の自由度が高くなっております。

その一方で、泌尿器科疾患に対する診療の需要の高まりと、ご紹介いただく症例の増加もあり、
外来診療ではかなり待ち時間をいただいております。

当科ロボット支援手術

腹腔鏡下膀胱全摘除術を2020年4月から新たに開始しています

当院では2019年3月にda Vinciを導入しました。
泌尿器科領域では、前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術
(2019年3月より開始)、小径腎癌(4cm以下)に対する腎部分切除術(2019年5月より開始)を行ってきました。
当院では、2020年4月から膀胱がんに対し、
da Vinciによる膀胱全摘除術を開始いたしました。
da Vinciによる膀胱全摘は、2018年4月から保険収載となっておりましたが、施設基準として「年間10件以上の膀胱全摘」が必要です。
年間10件の膀胱全摘を単施設で毎年行うという基準は比較的
高いハードルのため、da Vinciを導入している施設でも、
膀胱全摘への適用を避けている施設も少なくありません。

そのような中、2021年2月までに20件の膀胱全摘をda Vinciで行うことができました。
da Vinciによる膀胱全摘のメリットに、

①術中出血量の低減  ②輸血頻度の減少
③創部は最大で5cm程度かつ創のトラブルの減少
④術後食事開始までの期間の短縮

があげられます。これらのメリットを反映し、
高齢者に対する膀胱全摘も選択肢として考慮できるようになっております(80歳以上の高齢者が2割を占め、90歳代の症例もおります)。

 

難治性過活動膀胱

難治性過活動膀胱に対するボツリヌス毒素膀胱内注入を開始

難治性過活動膀胱とは、「抗コリン薬(ベシケア®、
トビエース®、ウリトス® など)やβ3作動薬
(ベタニス®、ベオーバ®)による薬物療法を、
少なくとも12週間治療継続を行っても抵抗性である場合」
と定義されております。

2020年4月から、難治性過活動膀胱に対する、
ボツリヌス毒素の膀胱壁内注入療法が保険収載
されております。
2021年2月現在、西胆振地区で導入している施設はありませんが、
当院では、本治療法を3月から開始いたします。
立木医師にご相談ください。

本治療は、経尿道的に内視鏡下に専用の注射針を用い、
膀胱壁内にボツリヌス毒素を20-30か所に注入する治療法です。
ボツリヌス毒素を注入することで排尿筋の収縮を弱め、難治性の尿意切迫感や切迫性尿失禁を改善します。
有害事象として尿閉があり、ボツリヌス毒素注入後、
6%程度に認められたとの報告があります。
可逆的ではありますが、排尿ができるようになるまで、自己導尿が必要となる場合があります。

 

 

NEWS 1 より高いレベルの腹部救急医療を
腹部救急認定医2名に

放射線科の湯浅科長が、日本腹部救急医学会の腹部救急認定医に認定されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NEWS 2 より速く、より高精細で低被ばく
冠動脈CT受託検査のご利用を

2月22日より、人工知能(AI)活用の最新鋭320列CTが稼働

320列CTでは16㎝の検出幅があり、0.35秒で心臓全体を
撮像することが可能
となります。
不整脈や息止めが困難な患者さんなど、心臓血管領域で特に有用性が高く、高精度な画像撮影によりアーチファクトの低減や高度石灰化、ステント留置やペースメーカー留置例でもより詳細な血管内腔評価が可能です。

地域医療連携では昨年度1,100件を超えるCT受託検査をご利用いただきました。
今後も安全で質の高いCT検査を行ってまいりますので、是非ご利用ください。

 

NEWS 3 医療費のお支払いを便利に
診療費自動支払機を導入

自動支払機がご利用いただけるようになりました

当院では会計窓口での待ち時間の短縮や患者さんのプライバシー保護など、より一層の患者サービス向上のために、医療費自動支払機を2台導入し、2月22日からご利用いただけるようになりました。

 

 

 

さらに便利な会計を待たずにすぐにお帰り頂ける
医療費あと払いサービス『待たずにラク~だ』も、ご利用いただけます。

※『待たずにラク~だ』のご利用は、事前登録が必要です。下記URLよりご登録いただけます。
https://s4.medicalpay.jp/muroran/login/

 

 

【2021年2月】連携ニュース

ドクターメッセージ
循環器内科
精度の高い診断と高度な治療
24時間、全ての循環器救急へ対応
 内科・循環器内科部長 中村 裕一 (なかむら ゆういち)
札幌医科大学 平成10年卒 
【認定医など】

日本内科学会認定医・指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会専門医
当科の現況

循環器内科では循環器疾患、腎臓疾患、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの
生活習慣病を含めた幅広い分野について診療を行っています。

西胆振地域の急性期基幹病院として循環器救急医療に24 時間体制で対応し、
緊急性が求められる虚血性心疾患、重篤な心不全などに対する先端医療を提供しています。

2020年の虚血性心疾患に対するカテーテル治療は316例と当院では初めて300症例を超え、
道内では9位の症例数でした。

不整脈(主に発作性心房細動)に対する経皮的心筋焼灼術(カテーテルアブレーション術)は、
2020年24例と大幅に増加
し、札幌と全く変わらない水準の治療を地元で行うことが可能です。

虚血性心疾患の診断と治療

 

 

 

 

 

虚血性心疾患は「慢性冠動脈疾患」と「急性冠症候群」に分類されます。

慢性冠動脈疾患は、慢性的に冠動脈が狭くなることによって症状が出現する状態をいい、
その原因により「労作時狭心症」と「冠攣縮性狭心症」の二つに分類されます。

一方、急性冠症候群は急激に冠動脈が詰まってしまうことで発症し、心筋壊死の有無によって
「不安定狭心症」と「急性心筋梗塞」に分類されます。

急性冠症候群ではその診断と治療の迅速性が求められ、
緊急カテーテル検査が必要とされる場面が多くなります。

虚血性心疾患はこれら4つの病気を合わせた総称であり、各症状によって緊急性も、
それに伴う治療方法なども異なってきます。

当科では「急性冠症候群」に対して緊急のカテーテル治療を行っておりますが、
「慢性冠動脈疾患」の診断には、運動負荷心電図、負荷心エコー検査、心臓核医学検査、心臓CTなどの非侵襲的な検査が優先されます。

心臓CTとは

 

 

 

 

 

これまで狭心症の診療のスタンダードとして冠動脈造影が行われてきましたが、
CTの技術的な進歩により、心臓(冠動脈)CTが狭心症の非侵襲的な検査として
日常臨床で急速に普及しています。

一方、CTの弱点としては不整脈がある場合や高度石灰化を伴う病変では十分な評価を行えないこと、
造影剤が必要であることや被ばくに対する懸念などがあります。

当院では2021年2月に最新鋭の320列CTが導入され、狭心症の診断能力の向上が期待されます。

320列CTによるメリット

多列化による最大のメリットは撮像時間の短縮です。
64列CTでは5~8秒で冠動脈を撮像し、複数画像を再構成して1枚の画像を構築していました。

320列CTでは管球1回転で16㎝の検出幅があり、0.35秒で心臓全体を撮像することが可能です。
再構成によるぶれが低減され、冠動脈の画質を向上させることが可能となりました。

320列CTは心臓にとって最適のCTと言えます。

<320列CTによるメリットのまとめ>

①短時間できれいな画像

心臓全体を1心拍で撮影できるため、心房細動などの不整脈があっても、
息止めの難しい場合でも画質が左右されず、高精細な画像が得られます。

②被ばく量の大幅な軽減

人工知能(Ai)を活用したソフトウェアによって、
これまでに比べて大幅な被ばく量の低減(1/3~1/5)が可能となります。

③アーチファクトの低減

これまでステント留置部位や高度石灰化病変では十分な評価ができませんでしたが、
最新技術によって明瞭な内腔描出が可能となります。
ペースメーカー留置例でもリード線によるアーチファクトが低減され、画質を向上しています。
(ただし造影剤アレルギー、腎機能障害(eGFR50%未満)、気管支喘息発作のある方などには心臓CTは行えません。)

高度で先進的な医療を提供

当科ではより低侵襲で高精細な画像を得られる最新の320列CTを活用して、
狭心症を含めた循環器疾患の診療に役立てたいと考えております。
循環器疾患の診断や治療で何かございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
今後も当地域での循環器診療において当科の役割を十分に果たせるよう努めてまいります。

NEWS 1 人工知能(AI)活用の
最新鋭 320列CTを導入

より速く、より高精細で低被ばくな検査で安心を

◎人工知能(AI)を活用した画像処理
◎最大80%の被ばく低減
◎金属アーチファクト低減

現在CTは320列が最高列数となり、
1スキャン(0.35秒)で160mm
範囲を0.5mm単位で撮影することが可能です。

装置の特長

◆0.5mm幅の320列により0.35秒で16cmの範囲
 が撮影でき、心臓や脳全体では一度で撮影が可能です。

◆心臓のような動く臓器の場合でも超高速に撮影しているため、
 ゆがみやひずみが生じません。

◆心臓検査では今までの64列マルチスライスCTに比べ、
 最大1/4程度に被曝低減
が可能です。

 

NEWS 2 新型コロナウイルス感染拡大に受入体制強化
最新のECMOを導入し3台体制

最新のECMOを導入し計3台で重症患者の受入体制を強化

当院では2020年7月に最新の補助循環装置(小型の人工心肺装置)である
㈱泉工医科工業製「UNIMO」を導入致しました。
今回の導入で当院の補助循環装置(ECMO/PCPS装置)は計3台となりました。

新型コロナウイルスの流行により耳にする機会が増えた「ECMO」ですが、
酸素吸入や人工呼吸器では対応が困難な重症呼吸不全に対して適応があります。
足の付け根の静脈に管を挿入しそこから脱血し、ポンプで圧をかけて自己肺の代わりをする人工肺でガス交換を行い、
足の付け根もしくは首の静脈に挿入した管に返血します。
「ECMO」が自己肺の代わり行っている間に、自己肺を休め、治療を行います。

また、同一の装置を使用して、心筋梗塞などによる重症心不全に対しても「PCPS」
という治療が可能です。

今後、有効なワクチンや治療薬の早期開発が望まれますが、現時点で万が一感染してしまい、
不幸にも重症化してしまった場合には当院では「ECMO」を使用した治療が可能となっております。

                                  臨床工学科 深山技士長

 

【2021年1月】連携ニュース

ドクターメッセージ
胆膵内科
専門医による胆膵疾患の
最新の治療法と治療戦略を提案・実施
消化器内科 (胆膵内科長) 小野 道洋 (おの みちひろ)
札幌医科大学 平成15年卒 
【認定医など】

日本内科学会認定内科医
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本胆道学会認定指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
胆膵内科のご紹介

消化器内科に入院する症例の中で, 胆膵疾患の割合は増えてきている印象があります。
これは、高齢化に伴い胆膵領域の癌が増えてきていること、高齢者の癌や胆石疾患に対しては内科治療が優先されることなどが影響していると思われます。

胆膵疾患の診療の中心となる検査・治療方法として、超音波内視鏡検査(EUS)と内視鏡的逆行性膵胆管造営検査(ERCP)がありますが、近年それらを応用した手技の進化は目覚ましいものがあり、それに伴い治療戦略も複雑化してきています。

このような背景から、当院では2020年4月より胆膵内科を開設し、専門医が常に最新の治療法、治療戦略を提案・実施しております。

当科の検査・処置実績の推移

胆膵内視鏡検査 2016年 2017年 2018年 2019年
①超音波内視鏡検査(EUS) 74 107 145 195
②EUS下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA) 64 92 79
③EUS下ドレナージ(Interventional EUS) 1 32 25 34
③内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP) 235 310 343 335
④ダブルバルーン内視鏡下ERCP(DB-ERCP) 9 14 17

 

胆膵内視鏡治療

当院では通常のEUS、ERCPの他にも、様々な治療選択肢を提案できる環境が整っております。

例えば、消化器臓器の手術後(胃癌術後、膵頭部癌術後など)の場合には、通常のERCPができないことがあります(図1)。

 

 

 

 

 

 

 

 

このような場合には処置用のダブルバルーン内視鏡(図2)を用いることで、ERCPを行うことができるようになります。
当院には専用のダブルバルーン内視鏡を常備しておりますので、緊急で処置が必要な症例であっても常に対応可能です。

 

 

 

 

 

 

 

また、ダブルバルーン内視鏡が届かない症例や、胆管挿管ができない症例に対しては、
EUS下胆道ドレナージ(EUS-BD)という手技を行っています(図3)。
この手技は胃や十二指腸から超音波内視鏡で総胆管や肝内胆管を描出して針で穿刺し(図3a)、
ステントを留置する(図3b)という手技です。

 

 

 

 

 

 

 

 

最近では、手術リスクが高い胆嚢炎に対してもEUS下胆のうドレナージ(EUS-GBD)を行い、
手術を回避できるようになっています(図4)。
経皮的ドレナージと異なり、リハビリの際にも邪魔になりませんし、短期間で退院可能となる点や、
皮膚トラブルがない点など、たくさんのメリットがあります。
技術的な難易度が高いため全国的にも施行できる施設は限られておりますが、当院では2017年度以降に導入し、
年間で約30件程度の症例に施行しています。

 

 

 

 

 

 

 

最新の設備

2020年4月には、西胆振初となる新型の胆道鏡「Spy GlassTM DS」も導入しました(図5)。
硬くて大きな結石に対しても、結石を直接見ながらレーザーを照射して破砕することが可能になりました。
ディスポーブルのため、細菌感染を気にする必要もありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

安心の体制

以上のような多彩な内視鏡・処置具・手技を駆使することで、胆膵疾患に関してはあらゆる状況で対応可能と自負しております。
当院は研修医を含めて若手の医師が多いですが、胆膵内視鏡処置は難易度が高く、合併症も重篤になることがありますので、
基本的に若手の医師のみで処置を行うことはありません。休日であっても胆膵分野を専門とする医師が必ず処置に立ち会うことで、安全かつ確実な処置を行っております。

 

NEWS 1 呼吸器外科領域ダヴィンチ手術
100例達成(道内3番目)

内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を用いた呼吸器外科領域の手術が、
2019年3月の開始以来、2020年11月に100症例を達成しました。  

 

 

 

 

 

呼吸器外科部長
長谷 龍之介 (はせ りゅうのすけ)
旭川医科大学 平成10年卒
(北海道大学大学院)
【認定医など】
・呼吸器外科専門医 ・外科学会専門医
・消化器外科学会指導医 ・ロボット外科学会専門医
・がん治療認定医機構がん治療認定医

・検診マンモグラフィー読影認定医

NEWS 2 2021年1月より膵臓ドックを開始

全てのがんに言えることですが、早期発見は非常に大切です。しかし、膵がんの70~80%は、発見された時点で、
手術ができないほど進行しているといわれています。早期発見が難しい理由として、症状がでにくいこと、
小さくても進行してしまうことがあげられます。
当院では、膵がん早期発見のために1月から「膵臓ドック」を開始します。

                                           胆膵内科長 小野 道洋

当院の膵臓ドックの特徴

・日本超音波医学会認定の超音波検査士が膵臓と胆のうを綿密に検査
・MRIは磁気共鳴(MR)専門技術者が撮影し放射線学会診断専門医が診断

●検査項目 ①問診 ②採血(腫瘍マーカー含)③腹部超音波検査 ④MRI検査
 検査費用 36,000円(税別)

       ※詳しくは、医事課 膵臓ドック担当係へご連絡ください。   電話 0143-44-4650

 

NEWS 3 初期臨床研修医・大学からの協力型3名を追加
2021年度は過去最高の26名を採用予定

2021年度の初期臨床研修医募集においてフルマッチとなっておりましたが、
その後大学からの協力型3名を受け入れ、来年度は合計で過去最高の26名採用予定です。

募集定員(4年連続フルマッチ)

 

 

2021年度研修医予定数

 

 

 

 

【2020年12月】連携ニュース

ドクターメッセージ
消化器外科
内視鏡外科学会 ヘルニア領域の技術認定医による
ヘルニア専門外来
外科・消化器外科 主任医長 Poudel Saseem (パウデル サシーム)
北海道大学 平成20年卒 
【認定医など】

日本外科学会外科専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)
日本ヘルニア学会 評議員
日本ヘルニア学会北海道支部会(ヘルニアを学ぶ会)世話人
ヘルニア外来の現況

日頃より連携医療機関の先生方には、貴重な症例のご紹介に感謝を申し上げます。
当院では成人男性の3人に1人が発症すると言われている「鼠径ヘルニア」の患者さんが気軽に診察を受けて、病気について話を聞ける場を設けるために2019年7月よりヘルニア外来を開設しました。ヘルニア外来に予約した患者さんの殆どは診察、検査、術前の詳細なお話から手術の日程決定まで同日に行っています。
連携医療機関の先生方の協力もあり、ヘルニア外来開設以来、当院でのヘルニア手術、特に腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術件数が増加しております。今年はコロナの関係で一時期ヘルニア手術を控えている期間もあり、減少しておりましたが、後半には再び増加となり今年も昨年の件数を超えるペースでヘルニアの手術を行っております(図1)
また、昨年度は内視鏡外科学会の技術認定医試験で当院から2名の医師が腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復手術で合格するなど、当院の高い手術手技が評価されております。今後とも引き続き協力をいただければ幸いです。

小児ヘルニアへの対応

当地域は小児外科の常勤医がいない為、小児外科領域の手術のために札幌まで行かなければならない患者さんも少なくない状況です。その為、小児外科領域の最も一般的な疾患「鼠径ヘルニア」に対して小児科と外科が協力し、低侵襲の腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(LPEC法)を行う体制を開始しました。

 

 

 

 

 

腹腔鏡下鼠経ヘルニア修復術(LPEC法)

鼠径ヘルニアは外科的手術が唯一の治療法で、小児症例においてヘルニア門の単純閉鎖が基本となっています。当院では腹腔鏡下手術に熟練した医師が小児ヘルニアに対してもLPEC法による腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を施行しています。手術には3 mmカメラで観察しながら、2mm鉗子で補助しながら、ヘルニア門の直上の鼠径部から専用道具を使用して、ヘルニア門周囲に糸を通して結紮してヘルニア門の閉鎖を行います(図2)。3mmと2 mmの道具を用いて手術行うため、傷が殆ど目立ちません(図3)。この術式の最大のメリットとしては腹腔内をカメラで観察するため、片側のみの症状があった場合でも、両側を観察して対側にヘルニアがあるか無いかの診断が可能になります。傷を1カ所追加するだけで両側の修復が可能になります。手術時間は片側で20~30分程度、両側で30~40分程度になります。

 

 

 

 

図2:LPEC法のやり方          図3:当院でLPEC法で使用している道具。3mmカメラと2mm鉗子

 

安心の体制

周術期は一人で入院できる患者以外は、基本的には小児科病棟に入院して、鼠径ヘルニア手術を専門としている外科医のほかに、常勤の麻酔科医師、小児科医師と小児診療に熟練した看護師が管理に当たります。手術は前日に入院していただき、2泊3日で行っています。
現在では、手術適応として基本的に1歳以降、体重10㎏以上としておりますが、嵌頓などのリスクを考慮し、手術までの間は当院にて経過観察をいたします。また、嵌頓などの際には、救急外来を含めいつでも受診できる安心の体制としておりますので、鼠経ヘルニアを認めた時点で、是非ご紹介ください。

ヘルニア疑いで診断のはっきりしない患者さんや、小児の鼠径ヘルニアの患者さんは地域医療連携課へ紹介ください。
ご不明な点ございましたら、気軽に連絡をいただければ幸いです。

 

NEWS 1 迅速に新型コロナウイルス検査判定
院内でPCR検査開始します

院内でPCR検査を12月21日より開始。1~2時間で検査が可能になります。

これまではPCR検査を外部検査機関に委託していたため、判定結果が届くまでに時間を要していましたが、
新たに自動遺伝子検査装置『TRCReady-80』を導入し、院内でPCR検査を実施いたします。

今後は、 1~2日間程度の日数を要してた手術前検査が直前で可能となり、より安全安心の手術を行うことができます。
また転院前検査は、2日以内の早期転院にも対応可能となり、安心して患者さんの受け入れを行っていただけるようになります。


 

 

 

 

現在、12月21日検査開始に向け準備中     検体はパスボックスを通じて検査室へ         病理・臨床検査室
                                                 寺澤 技師長

 

NEWS 2 日本超音波検査学会『超音波検査室の制度認定制度』
画像コントロールサーベイで2年連続5部門A評価

日本超音波学会の精度管理事業として「超音波検査室の精度認定制度」の第一段階「画像コントロールサーベイ」を受審いたしました。
放射線科では「腹部領域」、「体表領域」、「健診領域」すべてA判定、臨床検査室では「心臓領域」、「血管領域」すべてA判定の結果となり、第二段階の「超音波検査室の精度認定制度」を受審することが可能になりました。

お知らせ 医療連携カンファレンス開催中止のお知らせ

毎年1月の恒例となっております、地域医療連携の推進と連携医療機関の皆様との親睦を目的に開催しておりました「医療連携カンファレンス及び懇親会」につきまして、
いまだ新型コロナウイルス収束の見通しが立っていない現在の状況に鑑みてこのたびは開催を見合せることといたしました。

何とぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 

【2020年11月】連携ニュース

ドクターメッセージ
呼吸器外科
肺がんセンター 道内初の試み
歯科医師会と『口腔ケア』で連携
呼吸器外科部長 長谷 龍之介 (はせ りゅうのすけ)
旭川医科大学 平成10年卒 (北海道大学大学院)
【認定医など】

日本呼吸器外科専門医
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
検診マンモグラフィー読影認定医
ロボット外科学会専門医

 

はじめに

周術期口腔機能管理とは手術前後に歯科、口腔外科で歯垢や歯石の除去や、感染している歯の清掃をおこなうことです。
近年、周術期口腔機能管理を行うことによって、手術後の肺炎発症や、化学放射線療法における口腔の合併症の発症が低下することが報告されています。
2020年8月より製鉄記念室蘭病院肺がんセンターと室蘭歯科医師会は肺がん手術患者の周術期口腔機能管理の連携を開始しました。

肺がん患者と術後肺炎

日本人の死亡原因として最も多いのががんで、肺がんはその約20%を占め、20年以上がん死亡者数の1位を続けています。その中で北海道は喫煙率の高さから肺がんの死亡率が全国ワースト1です。西胆振の死亡率を全道と比較すると、男女ともに全道平均を上回っており、地域として非常に大きな問題となっています。
当科での肺がん手術は2014年の48件から2019年は121件と5年で大幅に増加しています。肺がんに対するロボット手術や胸腔鏡下手術に代表される低侵襲手術の普及により術後合併症の頻度は低下しつつありますが、高齢者の肺がん患者は年々増加しており、肺がん術後肺炎の発症には今後も十分な対策が必要です。術後肺炎の頻度は1~5% と報告され、術後肺炎の死亡率は15~35% と高く、術後肺炎の予防が非常に重要です。

周術期口腔機能管理の効果

周術期口腔機能管理は、術後の誤嚥性肺炎を予防する効果をもつことが知られています。
近年、頭頸部外科、胸部外科、消化器外科などの領域で、周術期口腔機能管理が術後感染性合併症を予防することが報告されており、口腔ケアは術後肺炎の頻度を減少させ、経口摂取中断期間、術後在院日数を短縮させています。

 

 

 

 

かかりつけである歯科医院との連携

肺がん患者は外科受診から手術まで1-2週しかなく、その間も術前検査や麻酔科受診、呼吸リハビリや栄養指導など多忙です。その限られた時間で、また精神的にも追い込まれた状況であるため、かかりつけである歯科医院で口腔ケアを受けることができるのは患者さんのメリットが大きいと考えられます。

おわりに

2015年4月室蘭市は全道の自治体では初となる「室蘭市がん対策推進条例」が施行されました。
総合的かつ計画的ながん対策の推進を目的に、教育、保健医療福祉、事業者、市民が一つになって、「がん教育やがん対策に取り組むこと」も明記され、「がんの医療や対策に携わるすべての関係者が連携し、『オール室蘭』で課題解決に取り組む必要性」を記しています。周術期口腔機能管理を地域歯科医師会と連携する試みは道内初であり、当センターと室蘭歯科医師会の連携で西胆振の市民の健康を向上する意義は大きいと考えています。

 

 

 

7月30日 室蘭民報記事

《肺がんセンターで行うこと》
医師間や職種間の垣根を無くして患者さんに最も適した治療を提供します。
医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士、ソーシャルワーカーが協力し、包括的に患者さんのサポートを行います。

 

 

入院中だけではなく、入院前から退院後までサポートを継続し長期にわたって患者さんを支援します。

 

NEWS 1 10月22日 臨床研修医マッチング最終結果発表
4年連続のフルマッチ達成!

本年、初期臨床研修医募集定員数1名の増員が認められ、12名の募集に対してフルマッチの結果となり、4年連続でフルマッチを達成いたしました。
2021年度は初期研修医定員数が 合計24名(1年次12名、2年次12名) となり、道内では有数の臨床研修指定病院です。
当院は地域の基幹病院として近い将来、地域医療を支えていくであろう人材を育てていくことも課せられた重要な使命の一つであると考えています。今後も、地域での医師確保につながるよう医師育成に積極的に努めてまいります。

 

NEWS 2 小児科 新任医師紹介
小児科 医員 福田 裕也(ふくだ ゆうや)
【略歴】
2015年 3⽉ 札幌医科大学 医学部医学科 卒業
2015年 4月 苫⼩牧市⽴病院 初期臨床研修
2017年 4⽉ 苫⼩牧市⽴病院 ⼩児科
2019年 4⽉ 札幌医科大学付属病院 ⼩児科
2020年10月より現職
【所属学会】
・日本小児科学会
・日本新生児生育医学会
10月1日より札幌から赴任してまいりました、小児科の福田裕也と申します。室蘭市での勤務経験は初めてですが、子どもたちが笑顔になり、ご家族が安心できるような医療を提供できるように努めてまいります。何卒よろしくお願いいたします。

 

NEWS 3 小児科で症状や成長を記録するアプリ
『ププノート』の提供始めました

当院小児科かかりつけの患者さまとそのご家族の方向けに、AndroidとiPhone用
当院専用アプリを導入し、無料で提供を開始しました。
アプリの招待コードは当院小児科外来で配布しています。

大きな2つの機能
◎子どもが発熱や鼻水などの症状があるときに記録するメモ機能です。
写真や動画を張り付けたりご家族で共有することもできますので、
受診時に付き添いされる方以外がメモした病状も医師に伝えることができます。

◎当院からの医療情報で、日々変更されるワクチン接種の情報やインフルエンザ
やコロナウイルスの発生状況がプッシュ送信されます。病気や看病の方法ほか、
身長体重の推移を見ることもできます。

 

 

【2020年10月】連携ニュース

ドクターメッセージ
胃腸内科
増加する直腸がんの早期発見,受託検査で行う,
『大腸内視鏡検査』のご活用を
消化器内科(胃腸内科長) 安部 智之 (あべ ともゆき)
札幌医科大学 (平成11年卒)
【認定医など】

日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

 

直腸がんの概要と治療

胃腸内科科長の安部智之です。
日頃から室蘭市内、室蘭周辺地区の先生方には貴重な症例をご紹介頂き、大変お世話になっております。この場を借りてお礼申し上げます。
今回は直腸癌について少しお話致します。

直腸は大腸の中でも岬角から肛門管までの15cmほどの領域です。それだけ大腸全体からみても短い領域ですが、直腸癌の症例数は大腸癌全体のうち約1/3を占めています。また、罹患者数は高齢化の影響もあり増加傾向です。直腸癌の特徴としては、骨盤内に癌が再発する局所再発という特殊な再発形態を有し、遠隔転移の臓器として結腸癌と比べると肺転移の頻度が多く、そのため、結腸癌に比較して予後が不良です。

治療の中心は、外科手術となります。切除可能な直腸癌であれば、当院では、ダヴィンチで加療致します。
より早期の段階で、病変が粘膜内(あるいは粘膜下層浅層)であれば、私たち消化器内科による内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術)を行うことができます。

 

 

 

 

 

 


Da Vinci Xiによる手術

2019年4月より開始、現在まで29例実施

 

主な症状

前述したように、ちょっと進行するだけで、骨盤内臓器への浸潤や肺転移を起こします。何か症状(下痢、便秘、残便感、便が通常より細い、形が違う、血便、黒色便、腹部不快感、食欲の変化、原因不明の体重減少、極度の疲労感など)が出現したら、お気軽にご紹介ください。

よくあるのが「痔だと思っていた」「肛門が切れただけだと思っ
ていた」と痔核の症状と考え、すぐに検査を受けないことです。
「痛く無いから大丈夫と思っていた」とお話される方もいます。
癌の初期は痛くありません!下血などの症状すら無いものが多い
です!症状があった場合は、ぜひ一度、直腸診や大腸カメラを受
けてみて下さい。何も病気が無いということをきちんと検査で確
認してから経過をみるようにして下さい。

 

 

内視鏡のご予約

症状のある方は当科へ受診して頂きたいですが、内視鏡の定期検査については、患者様が当科へ一度受診頂かなくても、地域連携室を介して電話予約することができます。どんどん御利用下さい!(詳細につきましては地域連携室にご連絡下さい)

今回は直腸癌についてごく簡単に述べさせて頂きました。日常診療におきまして、何か消化管疾患を疑うような症状、検査結果がございましたら、お気軽にご紹介下さい。少しでも皆様のお役に立てるよう頑張っていきます。引き続き宜しくお願い致します。

NEWS 1 転院前における
新型コロナウイルスPCR検査導入

当院では、より安全・安心な地域医療連携を行うため、9月23日(水)より当院から他院に転院される前例の患者さんに対し、原則として転院前に新型コロナウイルスのPCR検査を実施いたします。

新型コロナウイルスに感染しながらも無症状の患者さんが他院に転院される可能性は否定できず、実際、道内においても、転院患者さんを起点とした院内感染や施設内感染例も報告されています。万が一、このようなことが起きますと、結果的に地域の医療機能を大きく低下させる要因にもなると考えられます。

とくに、当院から転院される患者さんの多くは、当院での急性期医療から、回復期・慢性期医療、療養などに移行する方が多く、高齢者の方の割合が高いのが現状です。こうしたことから、当院からの転院を受けてくださる地域連携医療機関より、より安心して受け入れるために、転院前にPCR検査を実施し、陰性確認をして欲しいとの要望が寄せられていました。

転院前PCR検査は、全国的にも、ごく限られた医療機関でしか行われていないのが現状ですが、当院の地域における役割を考えると、このような取り組みを行うことにより、安心感をもって地域医療連携をよりスムーズに行うことができると考え、検査費用を全額当院負担とし、検査を実施することにいたしました。

当院では、すでに8月5日より、1日あたり10件程度の全身麻酔手術における術前PCR検査を導入していますが、順調に運用されており、検査体制にも問題のないことから、転院前PCR検査にもその範囲を拡大することといたしました。当院から他院への転院実績からみて、1月あたり、40-50件程度の追加検査を予定しています。

現在、当院ではPCR検査を外部検査機関に委託していますが、今後は自院内でPCR検査を行えるよう体制整備を進めているところです。
今後ともご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

 

NEWS 2 最新胆道鏡を西胆振初導入

胆管は非常に細い器官であることから、これまでは内部を詳細に観察することは困難でしたが、当院では2020年4月に経口胆道鏡Spy Glass DSを導入しました。Spy Glass DSは高水準の画質、操作性などが特徴の新型胆道鏡で、胆管の検査はもちろん、胆管結石などの治療にも力を発揮しています。

《経口胆道鏡とは》
経口胆道鏡は胆管の中を観察するための内視鏡です。内視鏡というと胃カメラや大腸カメラを想像すると思いますが、胆道鏡はとても細くて長いカメラで、直径は3.6㎜しかありません。処置用の内視鏡の中を通せるサイズになっております。 この胆道鏡はディスポーザブル(使い捨て)ですので、感染のリスクも低いです。

     

 

 

 

使用時の様子
処置用の内視鏡の中を通すので、とても長いです。

《治療の様子》
胆道鏡の中には、胆石を破砕するための”レーザー用のプローブ“を通すことができます。このプローブは更に細く、直径で約0.55〜0.75㎜しかありません。
通常の胆管結石の治療では、十二指腸まで処置用の内視鏡を挿入し、内視鏡から処置具を出して胆管内に挿入し、胆管結石を搔き出すように除去します。

大きな結石の場合には結石をつかむことができなくなりますし、胆管にがっちりとはまり込んでしまって動かないような結石の場合には、搔き出せなくなります。

そのような場合に、胆管内に胆道鏡を挿入し、胆道鏡からレーザー用のプローブを出して、結石にレーザー照射することで、結石を破砕することができます(図3)。胆道鏡で結石を確認しながら、正確にレーザー照射することができますので、安全に破砕することができます。

 

 

 

 

 

 

(図1)             (図2)             (図3)

西胆振で胆道鏡を常備している施設は当院のみです。その他にもあらゆる内視鏡、処置具がそろっており、胆膵内視鏡を専門とする医師も常駐しています。
お気軽にご相談下さい!

消化器内科(胆膵内科長)小野 道洋(おの みちひろ)
札幌医科大学 平成15年卒
【認定医など】
日本内科学会認定内科医
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本胆道学会認定指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

 

 

【2020年9月】連携ニュース

ドクターメッセージ
心臓血管外科
365日、24時間
すべての心臓血管疾患を受け入れ
心臓血管外科 医長 多田 裕樹 (ただ ゆうき)
旭川医科大学 (平成24年卒)
【認定医など】

日本外科学会外科専門医
腹部ステントグラフト指導医
下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医

 

当科の特徴

当科では心臓血管病の専門的診療、特に人工心肺を使用した待機的・緊急開心術が可能な施設として、365日、24時間すべての心臓血管疾患を受け入れ、必要な加療をし、当地域で治療を完結することを目指しております。
併せて、慢性期も含めた多種多様な血管・リンパ脈管疾患も対象としており、患者様それぞれに合わせた専門的な医療を提供できるよう体制を整えております。
腹部抹消血管・静脈疾患・リンパ疾患・透析用バスキュラーアクセスに関わる診療体制についてご紹介いたします。

腹部大動脈瘤・内臓動脈瘤

大動脈瘤の破裂予防のために、開腹手術による人工血管置換術やステントグラフト内挿術での治療を行います。患者様の全身状態や動脈瘤の形態によって、最善の治療を選択するために、それぞれ異なる特性のステントグラフトシステム4機種の指導医資格(EXCLUDER, ENDURANT, AFX, AORFIX)と、1機種の実施医資格(Zenith Flex)を取得しています。ステントグラフトと開腹手術の双方の利点を生かした、いわゆるハイブリッド手術など、複合的な治療も実施しています。

また破裂の緊急時にも対応できるよう、開腹手術の資材に加え、ステントグラフトシステムの院内配備を揃えております。救命率を上げるために、緊急大動脈遮断バルーンも配備しており、これらを利用して、20184月以降の腹部大動脈瘤・腸骨動脈瘤破裂の緊急手術の成績は、救命率80%以上となっています。

内臓動脈瘤については放射線科とも連携し、当科では主に外科的切除・血行再建を行っています。低侵襲なカテーテル治療でカバーが困難な症例に対しても、最大限の機能温存と破裂予防を達成する術式を提供します。

 

 

 

 

 

ステントグラフト         大動脈バルーン遮断

 

末梢動脈疾患

糖尿病、喫煙、さらには人工透析患者数の増加により、動脈硬化や血栓、塞栓によって生じた腹部や下肢の血管閉塞病に対して、診断から治療までを行います。外来部門にはバスキュラーラボを併設、またCVT(Clinical vascular technologist:血管診療技師)4人を擁しており、血流動態の多角的評価を迅速に行います。治療ではカテーテル治療や外科的な血管形成術・バイパス術など状況に合わせた治療戦略を選択でき、特に難易度の高い下腿及び足関節へのバイパス手術も実施しています。

 

 

 

 

 

                    バスキュラーラボ

静脈疾患

静脈瘤に対する手術や弾性ストッキングなどの理学療法により加療します。
下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医の資格を取得しており、抜去術等のほか、
低侵襲なレーザー治療を実施しています。また深部静脈血栓症
(エコノミークラス症候群)への薬物加療や肺塞栓症予防なども実施しています。

                                              カテーテル治療

リンパ疾患

乳がんや子宮がんの術後にリンパの流れが悪くなって起こるリンパ浮腫に治療を行います。
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターにより、患者様ごとに最適の治療法ができるようご相談に応じています。

 

 

 

 

静脈瘤レーザー          弾性ストッキング

 

透析用バスキュラーアクセス

透析導入の必要な患者様に、新たに内シャントを作成したり、悪くなったシャントの修復を行います。通常の内シャント造設の他、血管性状の不良な患者様には人工血管を用いた内シャント造設など、状況に応じたバスキュラーアクセスの確保を提供します。
シャントの修復には、外科的手術の他、カテーテルでの修復も行っています。

 

 

 

人工血管         PTAバルーン

 

重要な医療連携

心臓血管疾患に対しては、地域包括的な連携の重要性が非常に注目されています。
心臓血管疾患のリスクとなる併存疾患に対する日頃の管理や患者様の健康増進、未然のスクリーニングや発見時のご紹介、さらに緊急疾患の迅速なご連絡や搬送など、いつも大変お世話になっております。
地域全体で患者様により良い医療を提供するため、今後も一層連携を強めていましたらと考えております。より良い心臓血管疾患医療を目指し、皆様に安心してご相談・ご紹介いただける体制づくりができるよう邁進していきたいと思います。

 

NEWS 1 『術前PCR検査』8月5日から開始
患者さんの安心・安全と手術の安全な実施のため、全身麻酔による手術を受けられるすべての患者さんに対して手術前に新型コロナウイルスのPCR検査を実施させていただくこととなりました。
これにより、医療スタッフへの感染、院内クラスターの発生を防ぎ、患者さんには今まで以上に安心して治療を受けていただけると考えております。

 

NEWS 2 室蘭民報との合同企画
『がん治療の今2020』好評連載中!

2015年2月から約1年間連載した『がん治療の今』から約5年が経過し、
新たに『がん治療の今2020』として、7月8日から再び連載を開始いたしました。

[これまでの掲載記事]
第一回 「国内の現状」 病院長 前田 征洋
第二回 「肺がんの内科的治療①」呼吸器内科主任医長 近藤 瞬
第三回 「肺がんの内科的治療②」呼吸器内科部長 田中 康正
第四回 「肺がんの外科的治療①」呼吸器外科部長 長谷 龍之介
第五回 「肺がんの外科的治療②」呼吸器外科部長 長谷 龍之介

掲載された記事につきましては、ホームページ内のメディア情報
としてお知らせしております。

 

NEWS 3 『スワンネット北海道』
参加住民 27000人を突破

室蘭市医師会による、地域医療介護連携ネットワークシステム「スワンネット北海道」は7月に住民参加数が27,000人となり西胆振人口比15%を超えました。
また、当院の患者さんは運用開始以来、約11,000名が利用されております。
当院では、処方や注射、検体検査の他、放射線画像とレポート、内視鏡画像とレポートなど公開しておりますので、ご活用ください。
尚、「スワンネット北海道」導入の検討や、説明を聞きたいなどございましたら、地域医療連携課 鈴木(スワンネット運営委員)までご連絡ください。

【市町村別住民登録数】

室蘭市 登別市 伊達市 壮瞥町 洞爺湖町 豊浦町 白老町 その他 合計
参加数 17,490 6,935 1,600 113 491 227 138 142 27,136
人口比 21.1% 14.6% 4.7% 4.5% 5.7% 5.8% 0.8%

 

【2020年8月】連携ニュース

ドクターメッセージ
血液腫瘍内科
4月より医師1名増員、外来診療が週4日となりました
血液腫瘍内科 主任医長 吉田 正宏 (よしだ まさひろ)
札幌医科大学 (平成24年卒)
【認定医など】

医学博士
日本内科学会認定内科医
日本血液学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

 

当科の特徴

当科は西胆振地域で唯一,血液疾患の専門的治療を行うことができる施設であり,東は白老,西は長万部まで広大な範囲から多数の患者さんが通院されています。白血病,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫などの造血器腫瘍から,鉄欠乏性貧血や特発性血小板減少性紫斑病などの良性疾患まで,あらゆる血液疾患の診療を行っています。

診療実績

悪性リンパ腫や骨髄異形成症候群など加齢とともに増加する疾患が多く,また治療の目覚ましい進歩による生命予後の延長もあり,血液疾患患者は年々増加しています。
例えば,悪性リンパ腫であれば80歳以上の高齢者であっても,化学療法によって完治できる例も少なくありません。2019年度の入院患者数は延べ487名と,前年度(291名)から大きく数字を伸ばしました。

 

 

 

 

 

 

血液疾患を疑う主な症状

 

 

 

 

 

 

体制強化と医療連携

増加する患者に対応するため,札幌医科大学血液内科と連携しながら体制の強化を図っています。2019年度までは血液内科専門医1名と,消化器内科との若手ローテーション医師1-2名で診療にあたっていましたが、2020年度からは血液内科医師が1名増員となり、血液内科専門外来を週2日から週4日に増やすことができました。さらに地域のニーズにお応えしていけると考えています。貧血、血小板減少のような血算異常やリンパ節腫大などの血液疾患を疑う所見を認めた際には、当科へご紹介ください。

 

NEWS 1 仙丸副院長が、胆振初の消化器外科
「ロボット外科学会専門医」
に認定
外科・消化器外科 副院長
仙丸 直人(せんまる なおと)
北海道大学(平成3年卒)医学博士
【認定医など】
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定(消化器・一般外科)
日本がん治療認定医機構がん治療認定医・暫定教育医
日本肝胆膵外科学会高度技能指導医
ロボット外科学会専門医(消化器外科)
【専門分野】
消化器外科、内視鏡外科
【得意分野】
消化器科一般(胃・大腸等の腹腔鏡下手術、肝・胆・膵外科)ロボット外科学会の専門医制度、消化器外科領域では胆振管内初となります。また、ダヴィンチを用いたロボット支援直腸がん手術は、2019年4月より開始し、本年6月までに27例施行しております。

 

NEWS 2 卒後臨床評価機構(JCEP)より8月1日に認定が更新されました

2020年8月1日付でNPO法人卒後臨床研修評価機構(JCEP)の定める評価基準に達していること
が認められ、更新されました。
同機構より、「今後とも思いやりの心を持ったよき医師の教育研修に努め貴院の
研修の特徴を生かした臨床研修の益々の充実を期待します」とコメントをいただきました。
今後も地域の皆さまに良質で、安全な医療を提供できるよう、臨床研修の質をより一層高めてまいります。

同機構の認定病院は北海道内12病院で胆振管内では当院のみとなります。

 

 

NEWS 3 臨床研修医募集定員1名増員が認められ2021年度は、12名の募集に!

今年度は初期臨床研修医の募集定員は2名の増員が認められ、11名のフルマッチの結果となりましたが、来年度におきましては、さらに1名の増員が認められ12名募集となります。

 募集定員数

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
基幹型 7名 9名 11名 12名

 現在の定員数

1年次 2年次 協力型 合計
11名 9名 2名 22名

初期臨床研修医向けの勉強会の様子

 

お知らせ 受託検査「胃・大腸内視鏡検査」再開いたしました

新型コロナウィルスの影響にて制限しておりました受託検査における内視鏡検査を再開いたしました。
抗血栓薬の中止などを判断する必要はなく、簡単な御依頼内容の記載だけでご予約が可能です。特に症状が軽い、スクリーニング目的や、定期フォロー検査などの⽅、ぜひご依頼ください。

 

【2020年7月】連携ニュース

ドクターメッセージ
呼吸器内科
4月より医師増員にて5名となり、より充実した診療体制となりました。
呼吸器内科 主任医長 近藤 瞬 (こんどう しゅん)
弘前大学 (平成21年卒)
【認定医など】

医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本内科学会総合内科専門医・指導医

呼吸器内科主任医長の近藤瞬です。
日頃から西胆振の先生方に貴重な症例をご紹介いただき、誠にありがとうございます。
呼吸器内科は2020年度から医師増員となり、医師5人での診療体制となりました。
市中肺炎、気管支喘息、COPD、さらには肺癌、間質性肺炎など、呼吸器疾患を専門的に幅広く診療しております。

 

突発性肺線維症の治療

今回、その中でも特発性肺線維症にスポットを当てその治療についてご紹介いたします。
特発性の慢性進行性間質性肺炎のうち、最も予後不良のタイプが特発性肺線維症です。
乾性咳嗽や息切れ症状を呈し、聴診ではfine crackleがあり、胸部CTでは両側肺胸膜直下に網状影、牽引性気管支拡張、蜂巣肺を認めます。特に蜂巣肺が特徴的とされます。実臨床では、膠原病肺や慢性過敏性肺炎、肺気腫や陳旧性陰影などを鑑別の上、診断に至ります。
生存期間中央値は約35か月と言われており、悪性腫瘍と同様に予後不良の疾患です。
過去はステロイドなどの免疫抑制治療が試みられていましたが、現在は特発性肺線維症は他の特発性間質性肺炎と異なり、ステロイド+免疫抑制薬は生存率には寄与しないことが明らかとなり、
ガイドラインでも推奨されなくなりました。通常、肺は慢性炎症から線維化を来たすものですが、特発性肺線維症は炎症を経ずに繰り返す肺胞上皮障害と創傷治癒から線維化に至るため、抗炎症薬は効果が乏しいものと理解されています。

特発性肺線維症の進行

 

 

 

日本呼吸器学会

特発性肺線維症の治療目標は疾患の進行抑制とされ、抗線維化薬が適応となります。
抗線維化薬は年間FVC低下率を概ね半分にすることで、疾患進行のスピードを遅らせます。その特性上、治療は早期であればあるほど予後への効果は大きくなるため、できれば早期からの治療介入が求められています。しかしながら現実には、進行スピードには個人差が大きいことや、食欲不振や下痢、肝機能障害などの副作用があることなどから、全ての方に安易な治療導入が望ましいわけではありませんので、本人様と相談の上でリスクベネフィットを考えながら治療方針を決定しています。具体的には
①重症度IIIとIVの方(図参照)
②経過観察の中で疾患進行スピードが早い方
③現時点で症状のために生活に支障のある方
には治療をお勧めし、一方で他疾患をお持ちの高齢の方や軽度で自覚症状の乏しい方は、まず3~6か月毎程度の経過観察方針を取ることが多いのが個人的な印象です。

厚生労働省特定疾患認定基準による重症度分類

 

 

※重症度、Ⅲ度・Ⅳ度は難病申請が受理される

重要な医療連携

特発性肺線維症は徐々に世間での認知度も上がっており、全国的にも専門施設とかかりつけ医との連携が重要とされてきております。お困りの際には、評価精査目的含め、当科へご依頼いただければと思います。