過去の連携ニュース
過去の連携ニュースのご紹介
2024年 2023年 2022年 2021年 2020年
【2025年1月】連携ニュース
新年明けましておめでとうございます
謹んで新春をお祝い申し上げます。 旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。本年も地域医療連携室では、地域との連携を大切にしながら、思いやりの心が通う地域医療連携を進めていく所存です。どうぞよろしくお願い致します。
![]() |
呼吸器内科 ドクターメッセージ クライオ生検を導入 |
|
呼吸器内科 科長 こんどう しゅん 近藤 瞬 |
【認定医など】 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医 日本呼吸器学会専門医・指導医 |
▶びまん性肺疾患とクライオ生検
びまん性肺疾患とは、間質性肺炎を代表とする、種々の原因で両側または片側の肺に広がる病気の総称です。びまん性肺疾患の治療方針を決定するために病理学的評価を要することがあります。病理学的評価のためには一般には鉗子を用いた経気管支肺生検がありますが、採取できる組織の大きさが限られることや挫滅による修飾が強いことから、びまん性肺疾患の診断には有用性に限界があるとされています。そのためびまん性肺疾患の病理学的評価には全身麻酔下の外科的肺生検が必要とされていましたが、侵襲が大きいことがこれまで問題となっていました。これらの問題を解決するために、従来の経気管支肺生検よりも大きな検体を採取できる方法として、クライオ生検が行われるようになってきています。
▶クライオ生検とは
クライオプローブという、末端部を冷却することのできるプローブを気管支鏡から病変に接触させることにより、周囲の組織を凍結して採取します。2017年3月に保険適応となっており、当院では2024年11月から検査可能となりました。道内では当院含め現在9施設が導入しています。通常鉗子生検検体は1~2mm程度であるのに対し、クライオ生検では5~7mmの非常に大きな組織が採取できます。びまん性肺疾患分野の最近の報告では、クライオ生検検体のサイズであれば外科的肺生検との診断一致率も比較的良好であることが示されています。
▶クライオ生検の流れ
クライオ生検は気管支鏡の出し入れを頻回に繰り返す必要があり、また出血の危険性もあることから、まず気管内へ気管チューブを挿入し気道確保を行います。気管チューブを通してバルーンカテーテルを採取する部位の近傍の気管支に留置します。事前に同定していた病変部位へクライオプローブを当て、5秒程フットスイッチで最大-50℃まで冷却させるとプローブ周囲の組織が氷塊となり、その後気管支内視鏡とプローブを一体にして引き抜くように採取します。採取直後は前述のバルーンを膨らませ止血します。2回程度生検を行い、出血や気胸の問題がないことを確認し検査終了します。
▶クライオ生検の合併症
主な合併症に出血と気胸があります。いずれも通常の鉗子生検よりは発生率が高いとされています。気胸は鉗子生検では0.67%に対してクライオ生検では4%、検査中に止血剤塗布を要する出血は鉗子生検0.66%に対しクライオ生検14%程度とされています。内視鏡検査としては比較的侵襲の大きい検査ですので、現在はADLやPSが良好な方へ十分な説明の上、2~3泊程度の入院で検査を行うこととしております。
▶今後の取り組み
これまでは病理学的な精査が望ましい患者様は札幌の高次病院への検査紹介を行っておりましたが、今年からは西胆振にいながら同様の検査を行うことができるようになりました。びまん性肺疾患は診断が難しい分野であり、その治療方針決定の一助としてクライオ生検は重要なツールとされています。びまん性肺疾患でお困りの患者様がございましたら当科へご紹介ください。
N E W S 1 | 産科LDR(陣痛/分娩/回復)室の増室工事完了 ~ 12 月から、3 室体制に ~ |
当院はこれまで2室のLDR室を有していましたが、分娩件数の増加に対応するため、増室工事を行いました。12 月 2 日より計3室での運用を開始しています。当院は、これまで通り札幌医大産婦人科学教室から派遣の医師 6 名(常勤医 5 名+非常勤医 1 名)と出張応援による現行の診療体制を継続し、当地域の周産期医療を安定的に維持していきます。