地域医療連携室
(最終更新日:2024/11/7)
・今月( 11 月)の連携ニュース ・連携実績 ・紹介予約について
今月( 11 月)の連携ニュース
小児科 ドクターメッセージ 小児の食物アレルギーの評価は当科へ |
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小児科 科長 いいづか ゆうすけ 飯塚 裕典 |
【認定医など】 日本小児科学会専門医 小児慢性特定疾病指定医 |
▶食物アレルギーとは
食物アレルギーは「食物の摂取により免疫反応が過敏に働いてしまう現象」で、有病率は乳児で約10%, 幼児で約5%, 学童期で約3%と比較的頻繁に診られる疾患です。
食物アレルギーは特定のアレルゲンに対する特異的IgE抗体が関わっているIgE依存性の食物アレルギーと主にリンパ球が関わっている非IgE依存性のものがあります。
IgE依存性食物アレルギーは、摂取後2時間以内にアレルギー症状を起こす即時型症状や運動することによってアナフィラキシーが誘発される食物依存性運動誘発アナフィラキシーが挙げられます。また、近年は非IgE依存性で1-4時間後に嘔吐を繰り返すFood protein-induced enterocolitis syndrome (FPIES)に加え、血便のみを呈するFood protein-induced allergic proctocolitis、下痢/体重増加不良を伴うFood protein-induced enteropathyなど食物蛋白誘発胃腸症の症例が増えてきています。
▶食物アレルギーの診療
上記の様々なタイプの食物アレルギーを診療するためには血液検査で特異的IgE抗体の確認だけでなく、十分な問診や皮膚プリックテスト、食物経口負荷試験などを組み合わせて行っていくことが重要です。
食物アレルギーを持つ児の日々の食生活は制限を強いられるケースがありますが、患児や保護者は過去の「食べると皮膚が赤くなる、調子が悪くなる」といった経験から不必要な除去を継続していることがしばしばみうけられます。
しかし、食物アレルギーの治療・管理の原則としては「必要最低限の原因食物の除去」です。特に乳幼児期に発症した食物アレルギーは小学校入学までに鶏卵で73%, 牛乳で85%, 小麦で66%が耐性獲得をします。また、6歳時点で耐性獲得できていない鶏卵アレルギーは12歳までに耐性獲得します。完全除去から早く脱することで、コンタミネーションなどによるアナフィラキシーのリスクを軽減でき、より早期に耐性獲得ができると期待されています。そのため、経口負荷試験を行い、できるだけ早く食べられる量を確認し完全除去の期間を短くする必要があると考えられています。
▶食物経口負荷試験とは
食物経口負荷試験はアレルギーが確定しているか疑われる食品を単回または複数回に分割して摂取させ、症状の有無を確認する検査です。耐性獲得の確認をするだけでなく、誘発症状のリスク評価をしてその食物の食べることができる量を把握するということも重要な目的です。
プロトコールとしては、病歴や検査結果から負荷食品と総負荷量を設定し、30-60分毎に漸増摂取して、症状の出現を観察します。症状が出現した時点でまでの累積摂取量(総負荷量)、または最終負荷量を誘発閾値量と致します。検査結果に応じて除去を継続するか安全域値を見込んだアレルゲン量の摂取を開始します。その後一定量の摂取が繰り返し問題なくできた場合には順次増量して耐性獲得を目指します。
▶当科の診療体制として
当科では食物経口負荷試験や皮膚プリックテスト等を積極的に行っていくとともに札幌医科大学附属病院のアレルギー専門医とも連携して診療にあたっております。各種検査結果を基にして自宅での負荷量の決定、それに該当する加工品などの提案などを行っていきます。また、アナフィラキシーリスクのあるお子さんに関してはエピペンを処方して、対応して参ります。
過去にアナフィラキシー歴がある症例や複数の食物アレルギーがある等で外来で食物負荷試験をトライすることが難しいお子さん、非典型的な臨床症状の場合には当科に御相談頂けますと幸いでございます。
N E W S | 臨床研修医マッチング 過去最多タイの14名 8年連続フルマッチ達成 |
当院は、来年度(2025年度)採用の医師臨床研修マッチングにおいて昨年度と同じ過去最多タイの14名の定員を充足(フルマッチ)しました。8年連続のフルマッチです(8年連続は、全道で4病院のみ)。
大学病院以外では、手稲渓仁会(18名)に次いで、帯広厚生(14名)とならんで、2年連続で道内2位の人数です。
今後も、地域での医師確保につながるよう、医師育成に積極的に努めてまいります。
お 知 ら せ | 栄養科からのお知らせ 入院食をリニューアル 質の高い食事を提供 |
▶栄養科のご紹介
栄養科課長の下國心(管理栄養士)です。当院栄養科は管理栄養士が5名配置されています。加えて厨房委託会社の管理栄養士2名、栄養士2名、調理師4名、調理従事者32名の合計46名のスタッフが従事しています。安全・安心をもとに少しでも食事を楽しみにしていただけるよう、季節の果物や野菜を定期的に取り入れ、衛生的で質の高い食事・サービスに努めております。
▶行事食・産後食の取り組み
今回は行事食・産後食の取り組みについてご紹介いたします。
行事食は月3回程度実施しております。季節のイベントにちなんだメニューはもちろんですが、当院では古くより松花堂弁当箱に色とりどりの料理を詰めた「お弁当メニュー」を毎月最終週の火曜日昼食と決め、毎回和洋中などテーマに添った内容で患者さんに提供させていただいております。定期的に委託業者と栄養科にて会議を開催し、患者さんのニーズに添ったお食事を提供できるよう努めてます。
▶産後食
産後食については2021年3月より大幅にリニューアルしております。1週間のサイクルメニューではありますが、食器なども強化磁器を中心に選んでおり、より家庭での食事に近づけられるよう栄養科・厨房一体となって取り組んでいます。アンケートの調査結果では9割以上の方から好評をいただいていますが、現状に満足することなく四季のタイミングにおいては定期的に献立内容を変更しています。また、退院前日にはメッセージを添えた「お祝い膳」も春夏秋冬の4種類を用意し、季節に合わせた提供を心がけています。
▶連携医療機関の先生方へ
今後も病院スタッフや関係者の皆様にもご協力いただききながら、より満足いただける食事作りに取り組んでいきたいと考えておりますので、入院患者さんのご紹介引き続き宜しくお願い申し上げます。
連携実績
2023年度 紹介・逆紹介・受託検査件数(直近3年間)
2023年度 紹介・逆紹介・受託検査件数(診療科別)
紹介予約について
紹介患者さんの外来診療予約について
当院では、地域医療連携推進の一層の実効を図るため、
紹介患者さんのFAXによる「受診予約・検査予約」を行っています。
予約方法 |
① 「受診予約申込票(診療情報提供書)」、「検査予約依頼票」のFAX送信をお願いします。
※当院専用の受診申込票がございますが、紹介元医療機関さまで
ご使用になられている様式でも予約できます。
診療情報提供書には氏名、フリガナ、生年月日、性別、住所、電話番号、
受診希望日、保険情報を明記していただきますようお願いいたします。
※当院専用の受診予約申込票・検査予約依頼票は、当院ホームページの
「診療科・部門・センター」/「地域医療連携室」/「紹介予約について」からダウンロードできます。
② 折り返し「受診予約受付票」、「検査予約受付票」をFAX送信いたします。
※ご希望の日時で予約をお取出来ない場合や、返答にお時間がかかる場合にはご連絡いたします。
③ 患者さんには「受診予約票(受診者用)」、「検査予約票(受診者用)」をお渡しいただき、
受診日・検査日に当院受付へ提示くださるようお伝えください。
お問い合わせ先 地域医療連携室
専用FAX 0143-47-4305
直通TEL 0143-47-4304
夜間・休日の救急対応につきましては下記専用ダイヤルまでお願いします。
救急専用ダイヤル 0143-47-0990
「受診予約申込票」「各種検査予約依頼票」がダウンロードできます
受診予約申込票 | PDF:327KB | Excel:80KB |
各種検査予約依頼票 | PDF:198KB | Excel:87KB |
造影CT・MRI検査依頼票 | PDF:185KB | Excel:84KB |
経食道超音波・トレッドミル検査依頼票 | PDF:151KB | Excel:54KB |
消化器内視鏡検査依頼票 | PDF:186KB | Excel : 101KB |
胃内視鏡説明書・同意書 | PDF : 158KB | Word : 18KB |
大腸内視鏡説明書・同意書 | PDF : 144KB | Word : 19KB |
「PET-CT検査依頼票」「PET-CT検査の注意事項等」がダウンロードできます
PET-CT検査依頼票 | PDF:167KB | Excel:83KB |
検査の流れ及び注意事項等 | PDF:733KB |
地域医療連携室のご案内
地域医療連携室では、地域の先生方と当院の連携窓口として、
主に前方連携に関する業務を担当しております。
具体的には、ご紹介いただく患者さんがスムーズに受診できるよう事前調整を行う
「事前外来予約」や、「受託検査予約」、「セカンドオピニオン」に関してのご相談、
ご予約なども行っております。
<業務の内容> 1.外来診療の事前手続き 2.放射線科・内視鏡室・臨床検査科等への検査予約 3.症状の安定した患者さんを地域の先生に紹介(逆紹介) 4.セカンドオピニオンの相談・予約窓口 5.地域医療ネットワーク『スワンネット』申込み窓口 (スワンネット北海道について) |
受付時間 | 平日 9:00~17:00 |
TEL直通 | 0143-47-4304 |
FAX①専用 | 0143-47-4305 |
FAX②専用 | 0143-48-2129 |
担当 | 笹井、篠川、笠井、鈴木 |