ピロリ菌外来
当院では、北大病院についで、道内で2施設目となる保険診療外(全額自費)の「ピロリ菌外来」を開設し、2009年7月より診療を行っています。
ピロリ菌は、国内で約 5000 ~ 6000 万人の感染者がいるとされる胃・十二指腸潰瘍の原因菌ですが、この菌の感染が、胃癌の発症ときわめて強い関連があることが指摘されています。
とくに、2008年にわが国からの研究報告が世界的医学雑誌に掲載され、ピロリ菌を除菌することで、胃癌の発症を1/3程度にまで減少させられることも明らかになりました。
また、日本ヘリコバクター学会の2009年1月に出された最新のガイドラインでも、「すべてのピロリ感染症」を除菌することが強く推奨されています。
しかし、これまで、保険診療によるピロリ菌の検査・除菌治療は、「胃・十二指腸潰瘍」、「早期胃がん内視鏡治療後」など、一部の疾患に限定されており、最も対象者の多い「慢性胃炎」の患者さんには保険が適応されませんでした。当院では、こうした保険のきかない方々に対する「胃がん予防」を目的として、「ピロリ菌専門外来」を開設、これまでに300名を越える受診者の感染検査および200件以上の除菌治療を「全額自費診療」で行ってきました。
そして、ついに2013年2月21日、胃がん予防目的の対象者の多くが含まれる「胃炎(ピロリ感染胃炎)」に対しても保険適用が認められました。「胃炎」にも大幅に保険適用が拡大されたことで、今後は、多くの方々が、「ピロリ菌専門外来」を受診する必要がなく、「消化器内科外来」でより安価に検査・除菌治療を受けることが可能となりました。ただし、内視鏡検査を実施し、「ピロリ感染胃炎」を確認することが保険適用の必須条件となります。
これらの保険適用拡大をうけ、「ピロリ専門外来」は、2013年2月22日以降、その対象を、三次除菌(一次、二次除菌が成功せず、さらに除菌を)希望される方に、限定させていただきます。
ご不明な点がございましたら、今後は「消化器内科外来」でお尋ねくだされば幸いです。
ピロリ菌外来 対象者
対象となる方 (※公的医療保険外) |
ピロリ菌の除菌(三次除菌)を希望される方 (保険による一次、二次除菌が成功せず、さらに除菌を希望される方) |
対象とならない方 (※通常の外来受診で保険適応となります) |
①ピロリ感染胃炎の患者さん ②胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者さん(既往歴のある方も含む) ③胃MALTリンパ腫の患者さん ④特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の患者さん ⑤早期胃がんに対する内視鏡的治療後の患者さん |
外来・検査日および担当医師
外来・検査日 | 毎週火曜日 16時~(完全予約制) |
問診・検査担当医師 | 消化器・血液腫瘍内科 前田征洋 (日本ヘリコバクター学会ピロリ菌感染症認定医) |
- 受診当日の朝は、8時 50 分までに来院してください。
- 除菌希望の方には、処方も受診当日に行います。
- 当日は消化器科を含め、他科の外来は混合診療となるため、受診することができません。
検査までの流れ
予約 | 電話にて事前予約し、受診日を決めてください。 TEL:0143-44-4650 ※電話口でピロリ菌外来受診希望とお伝えください。 |
(当日)受付 | 予約日の8時 50 分までに来院し、初診受付に「ピロリ菌外来受診」とお伝えください。(担当者がご案内します) |
問診・説明 【消化器・血液腫瘍内科 第3診察室】 |
担当医師より簡単な問診と説明があります。 |
検査 | 三次除菌を希望される方は、当日の検査はありません。 |
会計 | 保険適用外(全額自費)となります ※詳細は「検査内容と料金」よりご確認ください。 |
処方 (※除菌される方のみ) |
ピロリ菌除菌を希望される方は、院内で処方薬を受け取ってください。(薬は1日2回、1週間内服する) |
除菌結果の説明 | 除菌された方は、内服が終了した4週間後(初回受診時から5週間後)に外来を受診し、尿素呼気試験を実施していただきます。 その後、除菌が成功したかどうかの結果を説明いたします。※当日受診費用はかかりません。 |