放射線科
放射線科/放射線・画像診断室
当院放射線・画像診断室は放射線科医1名、診療放射線技師29名(内女性技師8名)、看護師、看護助手、事務員で一般撮影からPET、放射線治療まで幅広く業務を行っています。放射線科医である湯浅憲章医師は、肝臓がん治療の一つである肝動脈塞栓術、RFAをはじめ、CT・MRI検査の読影を積極的に行っており、遠隔読影も併用しております。核医学検査は北海道大学から週3回の出張読影、放射線治療は北海道大学から週2回の出張をお願いしています。撮影室の特徴として、高齢の患者さんも安心して検査を受けられるように、整形関連の撮影装置をバリアフリー化とするとともに、握り棒を取り付けるなど、患者さんにやさしい環境づくりをしています。 私達、診療放射線技師は当宿直制と血管造影および腹部超音波については待機制を取り、24時間体制で地域住民の健康に寄与しています。 また、各種学会認定の技師が在籍しており高度な医療技術を備え、思いやりの心を大切に毎日頑張っています。常にガイドラインの遵守し質の高い画像を提供し、正確な診断、治療方針の決定に貢献できるよう努力しております。また、放射線被ばくを最小限にとどめるため常に見直しをかけ患者様に有益な医療を届けます。
放射線受付 一般撮影更衣室前 室蘭写真家提供パネル
資格名 | 人数 | 資格名 | 人数 |
超音波検査士 | 7 | 放射性医薬品ガイドライン講習会受講 | 4 |
磁気共鳴専門技術者 | 4 | PETセミナー受講 | 5 |
核医学専門技師 | 2 | 有痛性骨転移の疼痛治療における塩化ストロンチウム-89治療安全取扱講習会受講 | 2 |
検診マンモグラフィ撮影認定技師 | 5 | I-131(1110MBq)による残存甲状腺破壊(アブレーション)外来治療における適正使用に関する講習受講 | 2 |
第1種放射線取扱主任者 | 2 | イットリユウム-90標識抗CD20抗体を用いた放射免疫療法安全取扱講習会 | 1 |
放射線治療専門放射線技師 | 2 | 塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いたRI内用療法における適正使用に関する安全取扱講習会 | 3 |
放射線治療品質管理士 | 2 | ルテチウムオキソドトレオチド(Lu-177)注射液を用いた核医学治療の安全取扱講習会 | 1 |
X線CT認定技師 | 6 | 放射線管理士 | 3 |
大腸CT認定技師 | 1 | 第一種衛生管理者 | 1 |
画像等手術支援認定技師 | 5 | メンタルヘルスマネジメントⅡ種 | 2 |
救急撮影認定技師 | 1 | ピンクリボンアドバイザー初級 | 1 |
日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師 | 1 |
一般撮影装置
一般撮影は、X線を利用して撮影する検査のことで、レントゲン撮影や単純撮影ともいわれます。胸部や腹部、骨や関節、など、様々な部位の撮影が行われ、多くの診療科に関わる部門です。検査時間は、部位や撮影回数によりますが、10分程度が目安です。CTやMRIなどに比べて撮影時間も短く、救急時など全体像をすばやく知る必要がある時にも、非常に有用な検査です。
当院一般撮影室には4つの部屋があり、そのうちの一部屋には全脊椎や下肢の全長を撮影するための装置もあります。また全ての撮影にフラットパネル(FPD)を採用し少ないX線量で高画質な診断画像を提供する事ができます。ベッドから起き上がれない患者さまなどに対して、移動可能なポータブル装置を使用して病室内で撮影することもあります。
一般撮影装置 (胸部立位撮影台)
フラットパネルを使用しており、高画質であり被ばく線量は従来よりも40%低減しています。
また、他の撮影装置にもフラットパネルを使用しており、待ち時間の短縮にもつながっております。
(検査注意事項)
撮影の際、着替えはボタン、チャックなど金属、プラスチック製品は取り外していただきます。服装によってはそのままで撮影することも可能です。撮影部位ごとに様々な体位をとっていただきます。ご協力ください。現在妊娠している、又は可能性のある方は検査前に必ず医師または放射線技師に申し出てください。
脊柱、下肢全長用CALNEO GL
乳房撮影装置 FUJIFILM社製 AMULET Innovality
当院の装置は日本乳がん検診精度管理中央機構の認定装置です。検査では、専用の圧迫板で、乳房を薄く広げて固定してから撮影します。マンモグラフィでは乳房を薄く広げて圧迫することで、乳腺の重なりが少なくなり、病変が見つけやすくなります。患者さまによっては痛みを強く感じる場合がございます。負担のある検査ではございますが、安心して検査を受けていただけるように、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師を取得した女性技師7名が検査を行なっております。画質の担保のためにマンモグラフィ検診施設画像認定も取得し日々研鑽に努めております。
(検査注意事項)
当てはまる方は検査時に担当者へお教えください。
○妊娠・または妊娠している可能性がある方
○豊胸術・乳房再建術を受けたことがある方
○ペースメーカーやポートなど、撮影時の圧迫により、破損の恐れがある医療器具を装着している方
わたしの仕事
入職 4 年目(マンモグラフィ撮影認定技師)
主な担当はマンモグラフィ、一般撮影、CT検査に携わっています。
地元の医療に貢献したいと考えていたこと、総合病院で広い知識を得たいと思い志望しました。当院では、マンモグラフィや乳腺エコー、乳腺MRIなどで女性ならではの業務が多々あり女性技師の必要性を実感する事ができます。入職3年目マンモグラフィ撮影認定技師A判定を取得しました。マンモグラフィの読影にも技師が参加し定期的な勉強会も行い、知識、技術の向上のため努力しています。
いずれは乳腺超音波にも従事しマンモグラフィと併せて乳腺領域の知識、技術を高めたいと考えています。目下MRI検査も研修中、日々習得に向け頑張ってゆきます。
MRI装置 3T(PHILIPS Ingenia)・1.5T(Canon Excelart Titan)
MRI検査は、強力な磁石と電波を利用し、身体のあらゆる方向の画像を撮影する検査です。特に脳、脊髄、関節の描出に優れ、CTではわかりにくい急性期の脳梗塞や微小な脳出血等の診断などにも力を発揮します。放射線を使用しないため、放射線被ばくはありません。3T MRIはSmart Speedと呼ばれる最新のテクノロジーを実装した装置で、画質の向上はもちろんのこと、撮影時間が大幅に短縮し、駆動音も低減された、あらゆる面で優れたMRI装置です。当院では4名の磁気共鳴専門技術者が在籍しており安全で質の高い検査を行うために尽力しております。
(検査注意事項)
MRI検査は大きな磁石を用いており、撮影の時には磁石に電流を流します。その際に磁力の作用により磁石が振動します。その振動が機械に伝わる為 音はどうしても鳴ってしまうので、当院ではヘッドホンやスポンジを耳当てとして使用しております。 強い磁場を発生する室内です。体内金属、金属の持ち込みは重篤な事故が発生する恐れがあります。事前の入室チェックにご協力ください。
わたしの仕事
入職 8 年目(磁気共鳴専門技術者取得)
主な担当はMRI、CT、血管造影検査に携わっています。
地元である室蘭の医療に貢献したかったこと、最新の装置が多く認定資格を有する先輩が在籍しており、専門性の高い検査を行える環境と思いこの病院を志望しました。
今年度、担当する検査であるMRIで入職時よりずっと目標としてきた磁気共鳴専門技術者認定を取得することができました。磁気共鳴専門技術者は道内の民間病院としては最多(4名)となり私も一員となることができました。MR I検査では、患者さんから「今回の検査は辛くなかった。ありがとう」と感謝の言葉をいただいた事がありました。私たちの努力で喜んでもらうことができやりがいがあがりました。今後も患者さんの為になる、質の高い検査を行うために知識の研鑽に励み、尽力したいと思っています。
TV装置 キャノン製Cアーム Ultimax-i
主に消化器科での検査・治療に使用しています。ステントという特殊な金属を挿入するなど高度な技術が要求されますが、高画質で低被ばくでの検査が可能となっています。
CT装置 320列CT装置Canon社 Aquilion Prime 80列Canon社 Aquilion Prime SP
CT検査は、X線を使用して身体の内部の様子を画像化する検査です。当院では、脳出血などの頭部疾患、呼吸器疾患・腹部消化器疾患・婦人科疾患・心臓や大血管等の循環器疾患・外傷性救急救命など様々な検査が行われています。また、24時間365日救急救命に対応します。AI(人工知能)技術であるDeep Learningを用いて大幅なノイズ低減効果と空間分解能の向上が得られ、被ばく線量の低減を実現できながら、高画質の画像及び短時間撮影が可能です。 また手術支援画像として、3DやVR(Virtual Reality)も活用しています。
CT検査での被曝を気にされる方もいらっしゃると思いますが、2020年医療被ばく研究情報ネットワークより導入された診断参考レベル(DRLs2020)及び関連学会のガイドラインをもとに最適な撮影条件で被ばく線量を必要最低限にすることを実践しています。 X線CT認定技師、救急撮影認定技師、大腸CT認定技師、画像等手術支援認定技師が在籍し日々検査の向上へ努力しております。
世界最高の320列と80列の2台の装置で冠動脈CT、大腸CT、CT透視下穿針など幅広く行っています。
6名のX線CT認定技師が在籍しており高度な撮影技術で検査を行っています。
(検査注意事項)
妊娠中あるいはその可能性が否定できない方、造影剤アレルギー、その他アレルギーや喘息のある方
ビグアナイド系糖尿病薬を使用されている方、過去に造影検査を受けて、吐き気や発疹等の副作用と思われる症状があった方はお申し出ください。
造影剤使用の検査では腎臓の機能を確認の採血をとる場合がございます。結果確認ごの検査となるため一時間程度お待たせすることがあります。ご了承ください。
心臓カテーテル装置 キャノン製 Celeve-i INFX-8000C/8000CH3
当院は地域の急性期基幹病院として、急性心筋梗塞・不安定狭心症・心不全等の急性期救急医療に24 時間体制で対応しており、心カテ室は2室、24時間体制で治療が可能です。心臓の病気には様々な疾患が存在しますが、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患とは、心臓を栄養する血管(冠動脈)が狭くなったり、詰まってしまう病気をカテーテル検査で診断、治療をこちらの部屋で行われます。
血管造影装置 シーメンス社製 Artis zee i FA
カテーテルといわれる細い管を動脈から穿刺し、目的の部位(肝臓・肺・腎臓・骨盤)まで 透視画像を見ながら挿入していきます。挿入したカテーテルから造影剤を注入し、血管の走行や狭窄、腫瘍の染まり方を知るための検査を行います。当院では放射線科医による、肝動脈塞栓術、経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA:Radiofrequency ablation)、出血の原因となっている血管を塞栓物質で詰めることにより出血部位への血流を遮断する治療を行なったりしています。心臓血管外科では透析用シャント作成や慢性動脈閉塞に対し血行再建術も行われます。
核医学装置 シーメンス社製 SymbiaS/Biograph truepoint16
核医学検査とは、ごく微量のガンマ線を含んでいる薬(放射性医薬品)を注射することによりからだの中に入れ、それが目的の臓器等に集まり微量のガンマ線を放出する作用をカメラで検出し臓器等の働きや形を知る検査です。注射液を注入するだけで特異的に目的臓器に集積するために患者さんの負担が少なく済みまX線撮影検査やCT検査と比較して位置・形態情報に劣るものの、シンチ検査でしか得られない機能・代謝情報などを得ることができます。 SPECT装置は主に狭心症など循環器疾患の検査に利用しています。PET-CTは悪性腫瘍の進行状態、再発診断、心申等に威力を発揮しています。SPECT検査と同じく微量のラジオアイソトープが入っている注射液を注入するだけで全身の検査が行えます。
SPECT SymbiaS PET-CT Biograph truepoint16
(検査注意事項)
RI検査は、副作用が極めて少ないのが特徴ですが、妊娠中、または妊娠している可能性がある、授乳中の女性、乳幼児がいる方はあらかじめお申し出ください。PET検査は薬剤の性質上、食事、運動、お薬の制限がございます。事前の聞き取りで確認をさせていただきます。検査に必要な待機時間が2時間と長いですが、お待ちの間は検査に影響しますので、運動や読書、テレビ・音楽の鑑賞、携帯電話の使用はお控えいただいております。(筋肉や目を動かしたり、脳を使ってしまうと薬剤が集積し、検査精度が落ちてしまいます。ご協力お願いします。
わたしの仕事
入職 9 年目(核医学専門技師取得)
主な担当は核医学(PET・RI)、超音波検査に携わっています。
診療放射線技師として携わる可能性のあるほぼ全ての検査を経験をできる環境であることに魅力を感じ、当院を志望しました。
認定資格を持った先輩が多数在籍しており、指導も善くしてくれる先輩が多く質問しやすい環境です。
自信を持って検査を行うためのサポートも充実しています。担当するRI検査では主に心臓疾患に関する血流評価、
PETではがんに対する治療方針決定に寄与する画像を撮影し医師へ提供しています。専門的な知識が必要と考え核医学専門技師の資格を取得しました。
ここ数年はマニュアルの作成や新人教育を担当させてもらい検査の標準化に力を入れてきました。
今後は認定取得を活かし、核医学の分野においても標準化を進めるべく努力してゆきたいと思っています。
放射線治療装置 Varian製 CLINAC ix
がん治療は手術、化学療法、放射線治療が三大治
療法と言われています。
放射線治療は高エネルギーX線や電子線を患部に
照射し治療を行います。
3次元治療から定位照射及びIMRTはもちろんのこ
と、IGRT、DART等の最新技術まで対応可能な装置
です。放射線治療専門放射線技師1名、放射線治療
品質管理士1名が在籍しています。
腹部超音波装置 日立製作所製 ARIETTA-850など
腹痛などで来院された患者さんは腹部のX線写真と同様に最初に
行われています。 X線を用いていないため被曝の心
配はありません。腹痛に多い虫垂炎も90%以上の検出率を
誇り有用な検査です。乳癌検診での乳腺エコーは女性の診
療放射線技師が担当しており安心して検査が受けられます。
さらに、日本超音波医学会認定の超音波検査士が7名在籍し
ており、より信頼される検査を目指して業務を行っています。
この装置には最新の機能であるRVS(CT、MRI画像との重ね合わせ)、
Elastography(組織の硬さを評価)などを有しており、造影検査も
積極的に行っています。
わたしの仕事
入職 8 年目(超音波検査士(表在領域)マンモグラフィ撮影認定技師)
主な担当は超音波、マンモグラフィ、CT検査に携わっています。
地元である室蘭近郊で、最も活気のある病院であり見学の際に超音波検査を放射線技師が担当していることを知り、興味を持ち志望しました。
私の担当している超音波検査では、乳腺領域では女性技師が担当することを配慮しており女性ならではのスキルが必要とされます。また技師が検査レポートを作成しより責任の生じる業務を任せてもらっています。日々の検査で自分の担当した検査が他検査や治療に繋がっている、症状の原因究明・緩和に繋がっており「自信を持って検査を行いたい」気持ちから超音波検査士の資格を取得しました。認定の経験を活かし知識や経験をこれからもつけていきたいとかんがえています。また当院では女性技師の先輩たちが子育てしながら仕事をしています。将来は私も子育てと仕事を両立し、働き続けたいと考えています。
骨密度測定装置 GE社製 PRODIGY
腰椎および両大腿骨のスキャンを1回のポジショニングで計測を可能です。骨粗鬆症のガイドラインでは、”腰椎および大腿骨近部位の2部位のDXA測定が推奨されます。二つの部位を検査しますが、体位の変更が必要なく、一般的な測定器と比べて非常に短時間で終わります。検査中は数分間、撮影台に横になっているだけで、痛みや不快感はほとんどありません。
医師紹介
■湯浅 憲章 (ゆあさ のりあき)
放射線科長
北海道大学 平成8年卒
教室:北海道大学大学院医学研究院 放射線科学分野 画像診断学教室
専門分野:画像診断、Interventional Radiology(IVR)
認定医・専門医・指導医等:放射線学会診断専門医、IVR学会専門医、核医学会 PET核医学認定医、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了、死亡時画像診断(Ai)研修会修了、日本IVR学会主催経皮凍結療法講習会修了