消化器疾患

ダヴィンチ手術

直腸がんへのダヴィンチ手術の導入

7月から保険診療開始しています

医師がロボットのアームについている鉗子やカメラなどを遠隔操作して手術を行うことができる装置です。ロボットは医師の手の代わりとなり、細やかな動きをして医師の技術をサポート(支援)します。
ダビンチXiの導入により4月からロボット支援直腸がん手術を開始しております。腹腔鏡手術では体にあけた小さな穴が支点となり深部に進むほど動き幅が大きくなりぶれやすくなり、また先端角度が1方向のため操作に制限がありました。

 

ダビンチは3D画像、手振れ防止や、手の動きとロボット鉗子の動きの比率を設定(例3:1)し、ミスの少ない操作が可能、手首以上に曲がる鉗子によって、深部での処置もより正確に行えるメリットがあります。

また、術者のストレスを軽減し、より集中力を持続させ、緻密な手術へとつながります。

当科では、腹腔鏡手術に力を入れており、3D内視鏡システムを導入し手術を行っております。2018年度の外科全体の手術件数は局所麻酔を除くと720例で、消化器外科領域の手術は496例ありました。そのうち腹腔鏡手術は338例で68%を占めております。
当院は癌の治療に力を入れており、消化器内科・放射線科・病理医と合同カンファレンスを毎週行い、待機手術症例をすべて検討して治療方針を決定しております。

 

胃癌、大腸癌、膵癌の手術件数は西胆振地区では最多であり、2018年度は胃癌切除の77% 大腸癌の87%を腹腔鏡で施行しました。

肝胆膵領域の癌の手術

肝胆膵領域の癌の手術も北海道大学と連携しながら治療を行っております。胆管癌や膵癌はもちろん手術が難しいとされる肝門部胆管癌に関しても、手術適応、手術前診断、術前準備としての門脈塞栓術、手術治療について、消化器内科・放射線科と連携しながら治療にあたっております。より高度な治療が必要とされる場合は北海道大学で治療を行う場合もあります。

腹腔鏡下肝切除

保険適用となった2012年度から行っており、これまでに81例に施行し、大きな合併症なく経過しております。2016年度からはこれまでの部分切除、外側区域切除に加え、亜区域切除、区域切除、2区域切除、3区域切除以上のものが診療報酬に新たに加えられました。これらを行うにあたり施設基準が厳格に定められていますが、当科はこの基準を満たしており、これまでに亜区域切除 3例、区域切除 5例、2区域切除 3例を安全に施行しております。肝臓の手術では開腹手術の場合、大きな切開創が必要となるので、腹腔鏡手術の利点は他の手術よりも大きいと感じております。

急性胆のう炎の早期手術

急性胆嚢炎に関して、当科では早くからガイドラインに示されている早期手術を行っております。早期手術の最大のメリットは入院期間が7日と待機手術の20日以上と比較して1/3で済み、医療費も待機手術症例の約半分で済むことです。合併症に関しては待機手術例と差は認められておりません。