初期臨床研修プログラム

初期臨床研修プログラム

プログラム名称 製鉄記念室蘭病院 臨床研修プログラム
定員 14名 

 研修プログラムの概要

1. ローテーション研修 (4週(1クール)で、1年間を52週(13クール)としてスケジューリング)

[1年次:必修科および選択科をローテートし、臨床の基礎を身に付ける]

  • 内科系(必修):計24週
    循環器内科および呼吸器内科は各8週、消化器内科および血液腫瘍内科は各4週の研修を行う。
  • 外科系(必修):計8週
    必修科として8週の研修を行う。このうち2週を自分で選択(整形外科、心臓血管外科、泌尿器科のいずれか)
    し研修を行うことも可能。
  • 救急(必修):計8週
    2年間で12週の履修が必須。当院では1年次で救急科4週と、麻酔科研修8週のうち4週を救急とみなし、
    1年次で計8週の履修とする。
  • 麻酔科(必修):8週
    当院カリキュラムで8週の履修を必須としている。ただし、このうち4週は救急研修を兼ねる。
    また救急とみなす4週のうち2~4週の期間は、外傷救急(整形外科)を選択することも可能。
  • 小児科および産婦人科(必修):各4週
    2年間でどちらも履修すること。例えば1年次に小児科を履修した場合は、2年次で産婦人科を履修する。
  • 精神科(必修):4週
    協力型臨床研修病院での研修を行う。

[2年次:必修研修の不足分を優先して履修し、残る期間(MAX40週)を自由に調整する]

  • 救急(必修):4週
    1年次で計8週の救急研修履修を前提とし、2年次では4週の履修とする。
    2年間で12週に満たない場合は、充足するまで履修するものとする。
  • 小児科および産婦人科(必修):各4週
    1年次で履修していない診療科の研修を行う。
  • 地域医療研修(必修):計4週
    道内の協力病院・施設や、沖縄の離島診療所で、家庭医療・総合診療の研修を行う。
  • 1年次で達成できなかった必修研修科
    個々の事由により、1年次で履修できなかった必修研修科がある場合は、
    必修期間を充足するまで該当診療科における研修を優先して行う。
  • 自由選択研修:MAX40週
    必修研修科を修了後は、残る期間(MAX40週)で将来の希望診療科や興味のある診療科など、
    個々の希望に沿ってローテーションを組むことが可能。

 

[研修スケジュール例]

※1 循環器内科および呼吸器内科を各8週、消化器内科および血液腫瘍内科を各4週で、計24週の内科系研修を行う。

※2 8週の研修期間のうち2週を選択外科(心臓血管外科、泌尿器科、整形外科)とすることが可能。

※3 救急研修4週分を兼ねる。このうち2~4週の期間で外傷救急(整形外科)を選択することも可能。

※4 上記の例では小児科を1年次、産婦人科を2年次としているが、他の研修医・研修科との調整により逆の場合もある。

 

2. 救急研修

1.で解説したとおり、救急をローテートする12週のブロック研修全研修期間を通じて、
救急当直(時間外当直、ICU当直、特別日直、夜間半当直)を設けており、より充実した救急の研修が可能。
当院の指導医・上級医のみならず、北大救急治療部の医師の応援もいただき、必要に応じた指導を受けられる。

[1年次]

救急科のブロック研修に加え、定期的に時間外当直、ICU当直、特別日直、夜間半当直等でも指導を受ける。
(時間外救急当直は月2回程度)研修初期(4~9月)は、指導医・上級医が初期診療を行う場を、見学しながら徐々にトリアージ等に携わる。能力・技量が一定程度のレベルに達したと指導医・上級医に判断されたら、段階的に初期診療にあたる。

[2年次]

指導医・上級医が同席し初期対応・トリアージ・初期治療を実施する。
専門的な診療を要する場合は、オンコール体制の各科待機医師がコンサルトし、さらに必要場面では呼び出しにも応じる体制を整えている。
また同席する指導医・上級医から、いつでも相談・サポートを受けられる体制も確保しており、各科指導医・上級医は電子カルテを通じ、研修医に対して振り返りなどの適切な指導を行う。

3. 一般外来研修

内科研修中に並行研修として、総合内科で一般外来研修を行う。地域医療研修(4週)中に、
一般外来研修及び在宅医療の研修を行う。

4. 教育型CPC

病理指導医のもとで、研修医が一人一例を受け持ち『教育型臨床病理カンファレンス(CPC)』を実施する。

5. オリエンテーション

研修開始に当たり、電子カルテの使用方法・医療安全・感染対策・保険診療・地域医療連携等のオリエンテーションを実施する。

6. 各科に共通する研修方針

① 医師としての基本的姿勢・態度
チーム医療の一員としての役割を理解し、多職種と強調して診療することを学ぶため、各院内チームの活動に参加する。
院内チームは、緩和ケアチーム、感染対策チーム、栄養サポートチーム、褥瘡対策チーム、呼吸ケアチームがあり、
これらの活動に参加することでチーム医療を学ぶ。

② インフォームド・コンセント
指導医同席のもと、各科での研修中に経験する。研修初期は、指導医が実施しているインフォームド・コンセントを見学する。
また、指導医の監督のもとで、徐々に一定程度のインフォームド・コンセントを実施する。
実施後は指導医からの評価・フィードバッグを受ける。セカンドオピニオンの実施がある場合も同様に、指導医のもとで実施方法を学ぶ。

③ 医療安全、感染対策、医療の社会性
研修開始時オリエンテーションのほか、院内で開催される職員向けの研修会において、医療安全、感染対策、保険診療、介護保険、地域医療、医薬品や医療機器の安全研修等について講義を受ける。また院内で実施する防火・防災訓練に参加し、対応体制を学ぶ。

④ 基本的臨床検査
研修期間内(2年間)に、各科での臨床検査研修のほか、病理・臨床検査室での研修を行い、基本的臨床検査に関する知識・技術を身に付ける。

【研修項目】

  1. 一般検査(尿検査主体)
  2. 血液検査
  3. 生化・免疫学検査
  4. 輸血関連(血液型・交差試験)
  5. 微生物検査(染色・培養主体)
  6. 生理機能検査(心電図・肺機能・超音波)
  7. 細胞診・病理検査

研修後は、臨床検査研修終了証明書兼評価表に自己評価を記入し、担当技師および病理・臨床検査室技師長、
病理・臨床検査室長の署名・捺印を受ける。

⑤ 基本的手技
各科研修プログラムにおける手技・指導を受けられるほか、シミュレーターを使用した研修も実施可能。
スキルスラボ内のシミュレーターは、研修医であれば自由に使用(使用の際は使用簿に日時や氏名を記入)でき、
指導医から指導を指導を受けることも可能。指導を受けた際の評価及び評価コメントを使用簿に記載してもらえるため、
振り返り学習にも活用できる。

⑥ 医療記録
各科研修時に、診療録の作成、紹介状の作成、診断書の作成を経験する。これらの作成時には、指導医による内容のチェック
および承認が必要である。また、死亡診断書の記載は、指導医の立会いのもとで作成し、記載方法について学ぶ機会を得られる。

⑦ 診療計画の作成
各科における研修では、指導医とともに診療計画を作成する。患者が入院する際の入院計画も指導医とともに作成し、
退院時のカンファレンスにも出席し退院計画書の作成にも携わり、診療計画の作成方法を修得する。

⑧ 終末期医療
2年間の研修期間において、患者さんに対する心理社会的側面への配慮、告知をめぐる諸問題への配慮、
死生観や宗教観などへの配慮について学ぶ。また、臨終に立ち会い、適切な対応方法を習得する。

 

 研修の目標

医療人として必要な基本姿勢・態度の習得、基本的な身体診察法・検査・手技・治療法および症状・病態・疾患の経験と、救急医療・予防医療等の医療現場を体験することにより、臨床研修の研修理念である「医師が医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野に関わらず医学および医療の果たすべき役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁にかかわる負傷又は疾病に適切に対応できる基本的な診療能力を身につける」ことを目標とする。

 研修の到達目標と評価(厚生労働省の指針に基づくもの)

Ⅰ.行動目標
(1)医療人として必要な基本姿勢・態度
Ⅱ.経験目標
(1)基本的な診察法・検査・手技の経験
(2)症状・病態・疾患の経験
(3)特定の医療現場の経験

①評価システム『PG-EPOC』を利用して、“自己評価”・“指導医評価”・“第三者評価(コメディカル以外も含む)”を行う。
②その他、各科において独自の目標を設定し、研修の充実を図る。

臨床研修に関する要綱

項目 ダウンロードファイル
2025年度製鉄記念室蘭病院
臨床研修プログラム
 PDF:591KB 
診療の責任体制  PDF:258KB 
当直時の診療と指導医による支援  PDF:323KB 
臨床研修医管理規程  PDF:273KB 
研修医勤務マニュアル  PDF:530KB 
年次報告    PDF:8194KB 

協力型臨床研修病院と研修協力施設

名所 研修分野 研修病院・施設
北海道大学病院 自由選択 協力型臨床研修病院
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旭川医科大学病院
恵愛病院 精神科
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・寿都町立寿都診療所
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