整形外科 後期臨床研修プログラム
Ⅰ.診療科の特徴
当院の整形外科は室蘭はもとより登別、伊達、洞爺、壮瞥、苫小牧などの周辺地域から多くの患者さんが来院され、整形外科における中核的役割を果たしております。年々その傾向は高まり、平成23年度からは4 人から5人診療体制へ、平成24年度からは6人体制となり、上肢、下肢、脊椎の各専門医が拡充した高度専門医療を展開する体制が整いました。
治療内容としては、救急を含む整形外科一般外傷の他、上肢、脊椎、下肢の専門外来診療、手術治療を行っております。また平成24年度は北海道大学病院からの応援医師が下肢の専門外来、手術に引き続き参加します。
各専門領域では、上肢では肩関節から手指までの骨折、変性疾患や関節リウマチに対する手術的修復術や機能再建を積極的に行っております。また手関節や肩関節に対する低侵襲的な関節鏡視下手術や顕微鏡を用いた神経縫合、神経移行術を行っております。難治性疼痛疾患である 等に対する専門医療を行っています。
脊椎領域では頚椎から骨盤までの全脊椎脊髄の急性期外傷、変形、腫瘍、感染、変性疾患の保存治療と手術治療を行っています。特に先進的なインストゥルメンテーション(内固定具)を用いた頚椎再建や低侵襲的な脊椎固定術などに力を入れています。
また北海道がんセンターとの連携による高度脊椎腫瘍診断・治療も積極的に行っています。
下肢領域では下肢全般の骨折・脱臼に対する骨接合術の他、股関節と膝関節に対する人工関節置換術や膝前十字靭帯再建術も多く行っています。最近の低侵襲的な手術手技を上記の手術に積極的に応用しております。
整形外科部長 安藤 亮(指導責任者)
Ⅱ.研修の方針および目標
研修医の先生には入院患者の診断・治療に治療グループの一員となって積極的に参加していただきます。研修として重要な点は、患者を直接診察・診断するのみにとどまらず、病を持った患者の人間性、心情や患者を取り巻く社会環境を一人の人間として理解し、良好な医師-患者関係の構築やインフォームドコンセントの形成について学んでいくことです。また運動器障害によるQuality of life低下の様式と臨床経過を理解し、高齢者の増加と共に年々高まっている運動器疾患治療の重要性について認識を深めていただきます。 実際の研修現場では、診療グループとして担当患者を持ち、診断、治療の全般に指導医の管理のもと主導的に関わっていただきます。執刀可能な手術や検査については、指導医との打ち合わせのもと、可能な範囲で積極的に行ってもらう方針です
Ⅲ.研修スケジュール
- 短期コース(1~3年)・・・専門医資格取得に繋がる専門研修を行う
- 資格取得コース・・・3年間の後期研修修了後、専門医資格を取得する
年次 | 3 | 4 | 5 | 6 |
研修内容 | 専門的領域の医療技術の習得 | |||
研修期間 | 短期コース (1年) |
短期コース (2年) |
資格取得コース | |
取得可能な資格 | - | - | - | 整形外科専門医 |
Ⅳ.週間スケジュール
月曜から金曜の朝8:00または8:45から前日の外来・病棟患者の診療方針、術後カンファレンスを行っています。手術は木曜を除く毎日、以下の表のような疾患を中心に行っています。木曜の夕方には総回診とリハビリカンファレンス、月曜の夕方に術前検討と抄読会を行っています。
Ⅵ.学会認定施設
日本整形外科学会専門医研修施設
診療科からの連絡
可能であれば見学は火曜または水曜が望ましいと思います。科長が研修内容のオリエンテーションと手術の見学等に帯同いたします。