放射線科 初期臨床研修プログラム

当院は西胆振地区の急性期基幹病院ですが、放射線科では画像診断およびインターベンショナルラジオロジ-(“Interventional Radiology:IVR、日本語訳は画像下治療)にも力を入れており、専門医資格(日本医学放射線学会および日本IVR学会)を持った常勤医がそれらを担当しておりますが、核医学(PET-CT含む)診断や放射線治療は北海道大学出張医に診療いただいております。

CTやMRIを迅速的確に読影することで、研修医が救急日当直などでも安全に診療できるようサポートしておりますが、その他にも毎月一回定期的に研修医のための勉強会を開催し重要な症例をフィードバックおよび全員で共有することで研修医全員がレベルアップできるよう努めております。

IVRに関しても学会認定専門医在籍と修練施設は西胆振地区では当院のみで、最新の超音波機器やCT透視装置なども活用しながら、主に肝がんの局所治療(ラジオ波やマイクロ波)や肝動脈化学塞栓療法、超音波やCTをガイドとした腫瘍生検・ドレナージ、出血に対する緊急動脈塞栓術なども積極的に行っております。研修医には見学や助手を通して後の診療にも役立ててもらっております。

超音波検査は当院では診療放射線技師や臨床検査技師の計12名が日本超音波医学会認定の検査士資格を有し、腹部、心血管、乳腺など多数の検査を担当しており、機器も最新のものを随時導入し、診断はもちろん前述の生検・ドレナージ・肝癌局所治療支援などにも大きく貢献しております。研修医には見学および実技を通して後の診療にも役立ててもらっております。

微力ですが皆さんのお役に立てれば幸いですので、当院での研修を心よりお待ちしております。

放射線科長 湯浅 憲章(指導責任者)

 一般目標(GIO)

放射線医療業務に関する基本的な知識、技術を修得する。

 行動目標(SBOs)

放射線検査(単純X線検査、CT、MRI、US、血管造影など)の実際の施行法を知り、種々の疾患の画像診断を学習する。被ばく軽減に関する基本的な放射線防護も理解する。

(1)X線診断

各検査の適応、禁忌を理解し、指導医のもと実際にその検査を指示、実施できる。異常所見を読影指摘し、鑑別診断を挙げる。検査による副作用や合併症を述べることができる。
・単純X線撮影

(2)CT検査

各検査の適応、禁忌を理解し、指導医のもと実際にその検査を指示、実施できる。異常所見を読影指摘し、鑑別診断を挙げる。検査による副作用や合併症を述べることができる。
・頭部CT
・胸部CT
・腹部CT、その他のCT

(3)MRI検査

基本的なMRIの原理、検査の実際を理解し、適切な撮像方法を指示できる。撮影された画像を読影し、異常所見を指摘し診断することができる。
・全身MRI
・MR angiography

(4)腹部超音波検査

超音波の原理を理解し、指導医のもと実際に検査を行い、診断レポートを作成する。
・腹部超音波検査

(5)血管造影検査

血管造影の適応、禁忌を理解し、指導医のもとその実際にその検査を指示、実施できる。異常所見を読影指摘し、鑑別診断を挙げる。検査による副作用や合併症を述べることができる。
・腹部血管造影

(6)核医学検査

基本的核医学検査について、その適応を判断し、指示することができるとともに、その結果を分析する。また、主要な放射線同位元素および放射線医薬品について、その取り扱いの注意すべき点について述べることができる。
・静態検査:骨シンチ、腫瘍シンチ、その他
・動態検査:RIアンギオグラフィー、その他

 評価方法(Ev)

病院が定める規程による。(2020年度よりEPOC2を使用)