外科 初期臨床研修プログラム
当院の外科は、胆振地区最多の総勢8人の外科医で構成され消化器外科及び呼吸器外科を中心に一般外科疾患に対し広く診療を行っています。
2019年度の手術数は年間約800件と症例数も多く、臨時手術は約130件を占め地域の救急医療にも貢献しています。
悪性疾患の手術に重点的に取り組み、各臓器専門医を中心に診療を行っています。
消化器外科、呼吸器外科ともに鏡視下手術を積極的に取り入れ低侵襲高精度の手術を行い、腹腔鏡手術は全体の約70%、胸腔鏡手術は約90%を占めています。
治療方針決定に当たっては、内科、放射線科等関連各科との定期的なカンファレンスを通じ、緊密に連携をとりながら行っています。悪性腫瘍には手術治療のほか、再発予防や切除不能症例、再発症例に対する抗癌剤治療、さらに末期癌患者に対する緩和医療まで行っております。
研修はこれらの診療を体系化し上級医の指導のもと知識、手技のバランスをとりながら積極的に参加してもらっています。特に外科に興味のある研修医には術前十分な教育を行い1年目より鼠径ヘルニア、気胸、虫垂炎などの執刀をしてもらいます。カリキュラムに従いその後の経時的な技術の向上を評価し、可能であればより難易度の高い手術の執刀も経験してもらいます。また、全国学会での発表も年間最低一題行い、学術知識の構築やプレゼンテーション技術の訓練を行います。研修終了後希望者は後期研修医として勤務可能で各種専門医取得に向けて研鑽を積むことができます。
外科長 東海林 安人(指導責任者)
一般目標(GIO)
外科治療が必要な救急疾患の診断から治療を理解し、外科に関する基本的知識、技能の修得を目標とする。
行動目標(SBOs)
(1)外科的治療を要する救急疾患の診断・治療を理解する
・腸閉塞(絞扼性イレウスの鑑別)
・急性胆嚢炎(早期手術の適応)
・急性虫垂炎
・ヘルニア(陥頓)
・気胸・血気胸
・その他の急性腹症(消化管穿孔・出血など)
(2)救急疾患や頻度の多い疾患の手術に参加し手術適応・治療法を理解する
・ヘルニア根治術
・虫垂切除
・胆嚢摘出術
・腸閉塞解除・腸切除
・乳房切除(癌)
・胃切除(癌)
・大腸切除(癌・穿孔など)
・肝・胆・膵手術(癌)
・肺切除(癌・気胸)
(3)基本的外科的手技・処置を修得する
・創傷処置を修得する
・皮膚縫合を修得する
・胸・腹腔穿刺、中心静脈カテーテル挿入を修得する
・胸腔ドレーン挿入を修得する
(4)重要な検査の診断が可能になる
・胸部X-P、腹部X-P
・胸部・腹部・骨盤CT
・胸部・腹部・骨盤MRI
・腹部・乳腺超音波
(5)術前リスクの評価を修得する
・心肺機能
・肝機能
・腎機能
・代謝内分泌機能その他
研修の方針(LS)
・頻度の高い外科的治療を必要とする救急疾患については、実際に手術に参加することによって、診断から治療までの一連の流れ
を理解する
・手術に参加し、手術が必要とされる疾患の治療法を理解する
・縫合、中心静脈カテーテル挿入、胸腔ドレーン挿入の手技を身につける
・学会、手術前カンファレンス、内科外科合同カンファレンスでの発表を通して、プレゼンテーション能力を身につける
評価方法(Ev)
病院が定める規程による。(2020年度よりEPOC2を使用)