結核病室の新設工事が完了、胆振に結核患者入院施設を確保
~道内民間病院初の厚労省「結核患者収容モデル病室」整備事業~

当院は、呼吸器内科の入院病棟(2階病棟)を改築し、2室(3床)の結核患者収容モデル病室を新設する工事を進めていましたが、2025年11月末に工事が完了し、12月からの使用が可能となりました。

室蘭市内三病院の再編統合に伴い、呼吸器内科常勤医師が当院に集約化され(今年度4月から当院6名体制、市立病院は常勤医不在)、胆振地域では結核病床を有する唯一の医療機関である市立室蘭総合病院が、今年度で同病床を廃止することになりました。このため、今後の当地域における結核患者の入院対応について、行政(北海道保健福祉部・室蘭保健所)、北海道結核対策協議会、呼吸器内科医師の派遣元医育大学教室(札幌医大呼吸器内科学講座)を含めた関係者と協議・調整を行っておりました。

近年、結核患者数自体は減少していますが、高齢化など罹患構造の変化に伴い、複雑な合併症をもつ結核患者の割合は増加しており、全科対応、高度医療が可能な病院での結核患者診療の必要性は高まっているため、地域の基幹病院である当院が、こうした結核患者の入院診療を担うこととなり、道内民間病院としては初となる厚労省「結核患者収容モデル病室事業」の指定(2025年5月27日付)を受けました。

結核患者収容モデル病室事業とは、結核の治療が必要な患者のうち、(1)合併症が重症あるいは専門的高度医療または特殊医療を必要とする場合(2)合併症が結核の進展を促進しやすい病状にある場合(3)入院を要する精神障害者である場合の条件のうち1つ以上に該当する場合に、病棟単位ではなく病室単位で、一般病床においても結核患者の収容・治療が可能となる病室を整備する厚労省の結核対策事業です。

当院は公立病院ではありませんが(社会医療法人)、救急医療や小児・周産期医療など政策医療とよばれる公共的要素の強い分野に関しても、地域で中核的な役割を果たしています。一般的には公的医療機関が担うことが多い感染症(結核)医療ですが、当院は、地域に必要な医療は、当地域の実状に応じて、今後も着実に確保していきたいと考えています。

当院は、今後も引き続き、地域から求められる「質の高い高度急性期・急性期病院」として、安定的な地域医療提供体制の確保に、病院全体で取り組んでいきます。

11 月 28 日

 病院長 前田 征洋
                 呼吸器内科部長 田中 康正