結核病床3床を整備へ
~「結核患者収容モデル病室」整備事業の指定受ける~

当院は、かねてより行政(北海道保健福祉部・室蘭保健所)、北海道結核対策協議会、呼吸器内科医師の派遣元医育大学教室(札幌医大呼吸器内科学講座)を含めた関係者と、結核病床の確保に関する協議・調整を行っておりましたが、このたび(2025年5月27日付で)、厚労省北海道厚生局より「結核患者収容モデル病室事業」の指定(内示)を受けました。これに伴い、既存の呼吸器内科(2階病棟)を改築し3床(2室)の結核モデル病床を増設する工事にまもなく着工し、今年度(2025年度)秋の竣工を予定しています。

近年、結核患者数の減少および結核患者の入院日数の減少などから、病棟単位ではなく病床単位での結核患者収容も可能となっています。また、結核罹患構造の変化に伴い、合併症をもつ結核患者の割合は増加しており、全科対応、高度医療が可能な病院での結核患者診療の必要性が高まっています。結核患者収容モデル病室とは、結核の治療が必要な患者のうち、(1)合併症が重症あるいは専門的高度医療または特殊医療を必要とする場合(2)合併症が結核の進展を促進しやすい病状にある場合(3)入院を要する精神障害者である場合の条件のうち1つ以上に該当する場合に、結核患者の収容が可能となる病室です。

こうした時代の変化に加えて、当地域では室蘭市内三病院の再編統合に伴う呼吸器内科常勤医師の当院への集約化(今年度4月から常勤医師が1名増員となり、計6名体制)も進んでおり、当院が地域における結核の入院診療を担う必要性があると考え、関係者との協議を進めてきました。当院は公立病院ではありませんが(社会医療法人)、救急医療や小児・周産期医療など政策医療とよばれる分野に関しても、地域で中心的な役割を果たしており、地域に必要な医療は、今後も着実に提供していきたいと考えています。

当院は、今後も引き続き、地域から求められる「質の高い高度急性期・急性期医療」を提供できるよう、病院全体で取り組んでいきます。

 2025 年 5 月 29 日

                        病院長    前田 征洋