高機能(ハイブリッド)手術室、稼働開始
~ 高精度のX線透視・撮影画像で、先進的手術を安全に ~

2025年2月末に竣工した増築手術棟への機器搬入等が完了し、5月連休明けからハイブリッド手術室の使用を開始しました。

手術台とエックス線透視撮影装置を一つに組み合わせた高機能手術室(ハイブリッド手術室)を使用することで、従来は別々に行わざるを得なかった外科的手術とカテーテル治療(血管内治療)が同時に実施できるようになるため、主に以下のようなメリットがあります。

①高度な手術が、より迅速かつ正確に
手術中に高精度のX線透視・撮影画像が三次元画像として得られるため、さまざまな手術手技が、より迅速かつ正確に行えるようになり、従来の手術室では困難であった高度な手術も可能となります。
②高度な手術が、より患者さんに優しく、安全に
従来の開胸手術では身体への負担が大きく、手術困難と考えられていた高齢の患者さんや合併症などでリスクの高い患者さんにおける大動脈や心臓の弁疾患などに対しても、カテーテル治療を組み合わせることで、低侵襲で安全な手術が可能となり、入院期間の短縮も期待できます。また、高精細の画像が得られることで、手術時間の短縮や、結果的に血管造影で使用する造影剤の量も少なくて済むため、患者さんの腎臓への負担も軽減されるという利点もあります。

当院では、おもに心臓血管外科の胸部・腹部大動脈瘤などに対するステントグラフト内挿入術や、循環器内科と共同での冠動脈疾患に対する治療(バイパス手術とカテーテル治療の組み合わせ)、大動脈や心臓の弁疾患に対する治療などで、ハイブリッド手術室を積極的に使用していく予定です。

室蘭三病院の連携再編に関する協議の結果、当院は地域における高度急性期・急性期医療、救命救急の拠点病院としての役割を担うことになりましたが、引き続き、質の高い急性期医療を地域に提供できるよう、病院全体で先進的医療に取り組んでいきます。

2025年 5 月 16 日

                 病院長        前田 征洋
                 心臓血管外科部長   角浜 孝行
                 循環器内科部長    中村 裕一