6月以降の産婦人科診療体制について
近年の少子化などの影響もあり、わが国の分娩件数は年々減少していますが、
とくに人口減少率の大きい地方において、その傾向は顕著となっています。
また一方で、産婦人科医師の不足も深刻であり、地域の産科医療を守るためには、
周産期医療の集約化・重点化が必要とされ、全国的にも、そうした動きが推進されています。
室蘭市を含む西胆振地域での分娩数も年々大きく減少しており、医師不足のなかで、
地域内で分娩が分散された状態のままでは質の高い産科医療を維持することが困難となりつつあります。
こうしたことから、室蘭市においても、産科医療を効率的に集約化する必要性が高まり、
北海道保健福祉部を含めた関係者での協議を重ねた結果、今年度(令和6年)6月から、
室蘭市内の産科医療を当院(製鉄記念室蘭病院)に集約化していく方向で調整が進んでいます。
具体的には、当院の産婦人科常勤医師数を従来の4名から6名に増員し、
出産予定日が6月1日以降の経腟分娩予定の妊婦さんにおきましては、
基本的にすべて当院(製鉄記念室蘭病院)での検診、出産をお願いしていくことになりました。
ただし、リスクの低い通常の予定帝王切開分娩(骨盤位や帝王切開の既往のある方で、
緊急性がなく低リスクの分娩など)は、市内他医療機関(日鋼記念病院)での出産を
お願いさせていただきます。リスクの高い予定帝王切開や、緊急的帝王切開分娩は
当院(製鉄記念室蘭病院)で対応いたします。(※症例や状況により対応が変わる場合があります。)
地域の皆様には、ご不便をおかけすることもあるかと思いますが、
当地域の周産期医療を今後も安定的に維持していくために必要な対応ですので、
何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和 6 年 4 月 5 日
製鉄記念室蘭病院 病院長 前田 征洋
産婦人科・科長 春日 芙貴子