臨床病理 後期臨床研修プログラム

臨床病理は、病理組織診断、細胞診、病理解剖および腫瘍の遺伝子診断を実施しています。剖検およびこれに関わるCPC(臨床病理検討会)も開催しております。

臨床・病理検査室長 藤田 美悧(指導責任者)

研修スケジュール
  1. 短期コース(1~2年)・・・臨床病理に関する理解を深め、あるいは、解剖医、病理専門医
                    の資格取得に繋がる専門研修を行う
  2. 資格取得コース・・・2年以降に解剖医資格、3年以降に病理専門医資格を取得する
研修期間 取得可能な資格 研修内容
短期コース 1~2年 - 病理診断学、専門的領域の
医療知識、技術、態度の習得
資格取得コース 3~8年 解剖医、病理専門医

研修の到達目標
  1. 広範な知識と高度な専門的領域の医療技術の習得により、適切な診断と治療能力を身に付け、解剖医資格・臨床病理専門医を取得または取得に必要な研修を行う。
  2. 一般目標(General Instructional Objective,GIO)は、病理専門医として資格を認定されるだけの知識、技能、態度を身につけること。
  3. 行動目標(Specific behavioral objectives,SBO)は別表に示すごとく、病理専門医として必要な知識については、Basic,Advance-1,Advance-2に、必要な技能についてはskill level Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに、必要な態度についてはBasic,Advance-1以上Advance-2に分類されており、これらの研修をすべて修了することによって、病理専門医受験資格が与えられる。なお、数値目標についても別表に示した。
Ⅰ.必要な知識
病理業務に関わる知識
病理業務に関連する法および制度を説明できる Basic
(1)医事法制および死体解剖保存法の概要について説明できる。
(2)病理解剖許諾に関する法的事項、法医学的な検索を必要とする
  病理解剖の分類について説明できる。
(3)病理解剖承諾書の必要項目を列記できる。
(4)医療の中で果たす病理業務の役割を説明できる。
①病理解剖の役割と適応について説明できる。
②病理組織診断、細胞診断の役割と適応、限界について説明
  できる。
③病理専門医制度の基本を述べ、その責任と社会的役割を説明
  できる。
Advance-1
(1)医療関連死の定義およびその取り扱いの基本について説明
  できる。
(2)医療関連死の疑いのある症例を判別し、適切に対処できる。
(3)病理検体(臓器・組織・細胞)取り扱いに関わる法的事項、倫理的
  事項を説明できる。
Advance-2
(1)医療過誤訴訟に関する法的知識と、被告側の立場あるいは
  コンサルタントとしての病理医の役割を説明できる。
(2)病理認定施設の条件と役割について説明できる。
(3)医療経済の知識を有しており、病理診断学上の費用対効果の
  評価に関する原則を説明できる。
(4)病院全体の管理・運営および医療監査の中で果たす病理部門の
  役割について説明できる。
(5)病理部門の経営、収入、人事管理についての基本事項を説明
  できる。
病理業務に関するリスクマネジメント(医療廃棄物処理を含む)を説明できる Basic
(1)リスクマネジメントの基本について述べることができる。
(2)医療法上の責任が関わる場合のリスクマネジメントの考え方を
  説明できる。
(3)病理検査室でのインシデント・アクシデント報告の方法について
  説明できる。
(4)病理診断検体の、依頼伝票・検体の確認を適切に実行できる。
Advance-1
(1)病理業務に関連して発生する医療廃棄物の処理方法について
  説明できる。
Advance-2
(1)検体取り違え、検体紛失、針刺し事故などのアクシデント発生時
  の対応法について説明し、事象が生じた時には適切に対処でき
  る。
(2)病理診断関係の保険に関して述べることができる。
病理業務の資料を管理し、保存できる Basic
(1)病理組織標本および報告資料の保管についての基本事項を
  述べることができる。
(2)ローカル・コンピュータ・ネットワークの利用方法を説明できる。
(3)症例の既往病理診断について検索し、病理診断に対して適切に
  利用する方法について述べることができる。
Advance-1
(1)外科病理の全ての標本に適切なコード(国際疾病分類など)を
  付けて管理する方法を述べることができる。
Advance-2
(1)病理業務の資料の管理・保存状況について、査察が必要な項目
  や留意点を述べることができる。
(2)日本病理剖検輯報について理解し、適切な登録方法について
  説明できる。
病理業務で得られた人体材料を研究に用いる際の手続きを説明できる Basic
(1)患者プライバシーの保護についての基本を説明できる。
(2)病理業務で得られた人体材料を教育・研究に用いる場合の
  注意事項を述べることができる。
Advance-1
(1)病理業務で得られた人体材料をその症例の診断以外の目的
  (教育、研究、制度管理など)で用いる際に必要な手続きについて
  説明し、実行できる。
Advance-2
(1)病理検体の目的外使用についての判断基準を理解し、倫理
  委員会での審査の必要性について説明できる。
(2)ヒト組織バンクに関する適切な取り扱いを説明できる。

病理診断に必要な知識
基本的な病現組織標本の作製過程を説明できる Basic
(1)パラフィン包埋標本の作製過程(固定、切り出し、包埋、染色)を
  説明できる。
(2)迅速診断標本の製作過程を説明できる。
Advance-1
(1)良い組織標本を得るための要因と、標本が不適切となる理由に
  ついて挙げることができる。
Advance-2
(1)病理診断に不適切な標本ができた場合、その要因を推定できる。
  (注:標本作製実習はⅡ-6で行う)
免疫組織化学(免疫)染色を含む特殊染色の原理を説明し、結果を評価できる Basic
(1)病理診断で一般的に用いられる特殊染色体について、目的別に
  列挙できる。
(2)免疫組織化学の基本原理を説明できる。
Advance-1
(1)特殊染色(免疫組織化学を含む)のための適切な固定方法に
  ついて述べることができる。
(2)病理診断における一般的な特殊染色の必要性を判断し、適切に
  選択できる。
(3)一般的な特殊染色標本について、結果を評価できる。
(4)代表的な免疫組織化学の病理診断への応用について説明
  できる。
(5)免疫組織化学の陰性・陽性を判定できる。
(6)各種腫瘍性疾患の鑑別診断や予後判定に必要な免疫組織化学
  の抗体を、適切に選択できる。
Advance-2
(1)特殊染色に関する不良標本を識別し、不良となった原因について
  推定できる。
(2)代表的な免疫組織化学の染色結果を判読できる。
(3)神経病理・筋病理分野での特殊染色(筋病理の酵素組織化学を
  含む)を理解し、その結果について説明できる。
(4)免疫組織化学の結果に影響するartifactについて説明できる。
(5)免疫組織化学における抗原賦活化法について述べることが
  できる。
(6)蛍光抗体法、フローサイトメトリーのための適切な組織や液状
  検体を集め、保存できる。(注:標本作製実習はⅡ-6で行う)
電子顕微鏡(電顕)標本の作製過程を説明し、結果を評価できる Basic
(1)細胞の基本構造に関する知識を有し、超微形態を説明できる。
(2)電顕標本提出の手順を述べることができる。
(3)電顕試料の採取と取り扱いについて説明できる。
Advance-1
(1)一般的に電顕が必要もしくは有用な代表的疾患の電顕所見に
  ついて説明できる。
(2)電顕用標本を適切に採取し、固定できる。
(3)電顕標本の作製過程について説明できる。
(4)電顕の操作方法の基本について述べることができる。
Advance-2
(1)病理診断に有用な超微形態所見を評価できる。
(2)電顕による検索が必要な症例の場合、臨床医に助言を行い、
  適切な標本の提出を求めることができる。
(3)電顕標本の作製、電顕操作、基本的な電顕診断ができる。
  (適宜)
分子病理学的検索の原理を説明し、結果を評価できる Basic
(1)疾患の診断に関連する分子病理学について基礎的原理を説明
  できる。
Advance-1
(1)Southern blotting、PCR、RT-PCR、karyotyping、In situ
   hybridizationの基本手法について説明できる。
(2)臨床診断に用いられる分子病理学的審査の方法、適応、範囲に
  ついて説明できる。
(3)頻度の高い遺伝子性疾患の診断における分子病理学的検査の
  役割を説明できる。
(4)腫瘍性疾患、特に血液リンパ系疾患での診断における
  分子病理学的検査の役割を説明できる。
(5)感染症診断における分子病理学的検査の役割を説明できる。
(6)分子病理学的検査の報告を解釈できる。
Advance-2
(1)臨床医に分子病理学的検査を適切にい利用するように助言
  できる。
(2)分子病理学に関する新しい検査方法を評価するための文献を
  検索できる。
(3)Southern blotting、PCR、RT-PCR、karyotyping、In situ
   hybridizationを実施できる。(適宜)
病理診断に必要な臨床的事項を的確に判断し、病理診断との関連性を説明できる Basic
(1)患者の病歴から、病理診断に必要な適切な情報を得ることが
  できる。
Advance-1
(1)病理標本作製に至急を要するものと要さないものの一般的状況
  について判断できる。
Advance-2
(1)臨床的事項と病理診断との関連性を臨床医または患者に説明
  できる。
病理診断に対してコンサルテーションの必要性を判断できる Basic
(1)病理診断におけるコンサルテーションの意義について説明
  できる。
Advance-1
(1)病理学会のコンサルテーション・システムの手続き、手順と、必要
  な標本やブロックの準備について説明できる。
(2)院外コンサルテーションが実施できる。
(3)指導医の指導下に、院内コンサルテーションを実施できる。
Advance-2
(1)病理診断(病理解剖、・外科病理・細胞)について
  コンサルテーションの必要性を判断し、自ら実施できる。
(2)コンサルテーションの結果を臨床医または患者に適切に報告する
  ことができる。

Ⅱ.必要な技能
病理解剖を執刀できる Skill level Ⅰ
(1)病理解剖の基本的手技(Rokitansky法:en blok法、Virchow法)
  について説明できる。
(2)病理解剖に必要な設備および器具の特徴と使用法を説明できる。
(3)基本手技(Rokitansky法、Virchow法)で行われる病理解剖の
  胸腹部について、解剖介助ができる。
(4)喉頭蓋と舌の摘出、下肢の血管、骨、関節の検索ができる。
(5)病理解剖開始にあたり臨床経過をもとに、病理解剖で観察すべき
  臓器所見、採取すべき病変について述べることができる。
(6)一般的な疾患について、指導医の指導のもとに、適切な臓器・
  組織の切り出しおよび保存ができる。
Skill level Ⅱ
(1)Rokitansky法およびVirchow法による病理解剖が実施できる。
(2)年齢や疾患に偏りにない症状を経験し、小児から成人までの
  病理解剖を(指導者や病理技師の助けをかりて)自ら執刀する
  ことができる。
(3)脳を傷つけることなく取り出すことができる。
(4)針による検体採取、関節液の採取、脊髄液の採取を含む、
  さまざまな病理解剖手技について基本的事項を説明できる。
Skill level Ⅲ
(1)ルーチンの技法により、単純な症例であれば3時間以内、複雑な
  症例でも4時間程度で肉眼所見の検索を終えることができる。
(2)当該症例に最も適切な解剖方法を選択し、指示または実施
  できる。
(3)脊髄を傷つけることなく取り出すことができる。
(4)眼球摘出、内耳や中耳の採取方法について説明できる。
(5)血液や眼球内液を生科学的検査のために採取すべき状況とその
  採取方法を説明できる。
(6)液状検体や組織を薬物検査のために保存すべき状況とその採取
  方法を説明できる。
(7)病理解剖時に検体の特殊な取り扱いを要する検査(培養、捺印、
  遠沈、塗抹、flow cytometry、結晶成分の検出、電顕、免疫組織
  化学)について、基本的な検体採取方法および保存方法を説明
  できる。
臨床事項と考察を含めた病理解剖報告書を作成できる Skill level Ⅰ
(1)症例の臨床経過を理解し、問題点の抽出・把握ができる。
(2)執刀医の述べる肉眼所見を理解し、適切に記録することが
  できる。
(3)一般的な疾患について、肉眼所見を正しく把握し、適切に記載
  することができる。
(4)指導医の指導のもと、病理解剖終了後24時間以内に、暫定病理
  解剖診断(Provisional Anatomical Diagnosis:PAD)を作成
  できる。
Skill level Ⅱ
(1)肉眼所見をもとに、臨床医または遺族に病理解剖結果について
  適切な説明ができる。
(2)一般的な疾患について、顕微鏡所見を正しく記載することが
  できる。
(3)適切な肉眼写真、顕微鏡写真をフィルムもしくはデジタルカメラで
  撮影することができる。
(4)一般的(単純)な症例について、臨床病理学的な病態生理の
  考察を含めた、決められた形式に計った最終病理解剖診断報告書
  を、解剖修了後原則として3ヶ月以内に作成できる。
Skill level Ⅲ
(1)複雑な症例について、肉眼所見、顕微鏡所見を適切に記載し、
  臨床病理学的考察を加えた最終病理解剖報告書を作成できる。
偏らない臓器・組織から得られた生検、手術材料を的確に診断し、報告書を作成できる Skill level Ⅰ
(1)各臓器の「癌取り扱い規約」の概要を述べることができる。
(2)各科病理診断報告書に含まれるべき基本的事項について
  述べることができる。(患者氏名、病院名、受付検体個数、
  提出年月日、必要な臨床情報、肉眼所見、顕微鏡所見、
  最終病理診断など)
(3)外科病理診断結果が患者の治療方針決定や予後判定、治療
  効果判定に果たす役割について説明できる。
(4)悪性腫瘍の一般的なstagin,gradingについて説明できる。
Skill level Ⅱ
(1)外科病理検体の肉眼所見、顕微鏡所見を正しく記載できる。
(2)適切な肉眼写真、顕微鏡写真をフィルムもしくはデジタルカメラで
  撮影することができる。
(3)特殊な取り扱いを要する検査(培養、電顕、遺伝子検索など)に
  ついて説明し、そのための適切な処置を実施できる。
(4)病理診断のための特殊染色、免疫組織化学、分子病理学、電顕
  などの応用技術の必要性を判断し、必要があれば実施して、結果
  を解釈することができる。
(5)一般的な外科病理検体に対して、適切な病理診断報告書を作成
  できる。
(6)一般的な外科病理検体の病理診断について、鑑別診断、治療
  効果判定、予後判定を含めた説明ができる。
(7)一般的な外科病理検体の病理診断について、必要に応じて
  再切り出しを指示または実施することができる。
(注:ここで言う「一般的な外科病理検体」とは、当該病理研修医が研修する施設で一般的に多く扱われている分野の検体を指す。)
Skill level Ⅲ
(1)複雑な症例の外科病理診断について、Skill level Ⅱで挙げた
  一般的な外科病理検体に準じて診断・報告ができる。
(2)稀少例や特殊例に関して適切な文献検索を行い、最新の知見に
  基づいた診断ができる。
(3)特殊領域(神経病理、筋病理など)の疾患に関する診断が
  できる。
(注:ここでいう「特殊領域」とは、当該病理研修医が研修する施設での検体数が少ないもの、あるいは取り扱う臨床科がないものを含む。)
(4)他の初期研修医や病理医が扱った検体を含めて、一般的および
  複雑な症例の病理組織学的報告について、必要に応じた診断書
  の形式統一、鑑別診断の追加、特染や他の検察域などにより、
  修正や追加報告を加えることができる。
細胞診材料を診断し、報告書を作成できる Skill level Ⅰ
(1)各臓器の一般的な細胞診検体に関して、代表的細胞採取方法、
  標本作成方法とそれに要する時間を知り、細胞診検査で得ること
  のできる情報について述べることができる。
(2)細胞診依頼伝票に含まれるべき内容、検体受付時の確認事項
  について説明できる。
(3)一般的な細胞診検体に見られる正常、反応、炎症、異型性、
  腫瘍の細胞形態に関して説明できる。
(4)細胞診検体のスクリーニングの方法について説明できる。
Skill level Ⅱ
(1)諸臓器の各種検体(婦人科、喀痰、気管支洗浄、擦過、体腔液、
  尿、穿指吸引)を適切に処理できる。
(2)塗抹、捺印、圧座、セルブロック作成を適切に選択肢実施できる。
(3)湿潤固定、乾燥固定の手技、意義、対象となる染色法を理解し、
  適切に選択して実施できる。
(4)細胞診検体のスクリーニング(異型細胞の識別)ができる。
(5)細胞診検体の適正、不適正を判断し、不適正な理由を述べること
  ができる。
(6)細胞診検体に含まれる病原体の識別ができる。
(7)研修施設で一般的に行われている細胞診検体(婦人科、喀痰、
  気管支洗浄、擦過、尿、穿刺吸引)の典型例について、悪性度の
  評価(陰性、疑陽性、陽性の評価)と推定判定が正しくできる。
(8)放射線、化学療法など、治療による細胞形態の変化を説明し、
  典型例について正しく判定できる。
(9)婦人科領域の細胞診に関するbethesda systemについて説明し、
  これに従った診断ができる。
(10)婦人科領域のHPV感染検査(プローブ分析)の原理・応用を
  説明できる。
(11)婦人科以外の領域の細胞診に関する報告様式を説明し、これ
  に従った診断ができる。
(12)穿刺吸引細胞診について、旅行方法(使用機材や材料、実施
  技術、実施に際しての患者・家族へのインフォームドコンセント
  などに関する知識を含む)、細胞採取と処理について説明できる。
Skill level Ⅲ
(1)研修医の所属する研修施設で一般的に行われていない細胞診
  検体(たとえば骨軟部、脳、リンパ節、口腔など)についての、
  細胞診所見を説明し、代表的疾患について正しい判定および推定
  診断ができる。
(2)細胞診検体について画像分析、免疫細胞化学、
  flow cytometry、細胞遺伝学、電顕、分子病理(ISH法、PCR法)
  などの必要性を判断し、結果を解釈できる。
(3)細胞診報告書について、求められる内容に正しく応えているか
  評価できる。
(4)細胞検査士と情報交換し、その指導ができる。
(5)婦人科領域の自動スクリーニングの原理について説明できる。
迅速病理診断において良悪性の判定をし、適切な報告ができる Skill level Ⅰ
(1)術中迅速組織診断の適応(意義)、手技、問題点、診断の限界に
  ついて説明できる。
(2)術中迅速細胞診の適応(意義)、手技、問題点、診断の限界に
  ついて説明できる。
(3)術中迅速診断検体の取り扱い方法および取り扱い上の注意点に
  ついて説明できる。
Skill level Ⅱ
(1)術中迅速診断に際して、肉眼所見をもとに適切な切り出し部位を
  選択できる。
(2)一般的な疾患について、原則として迅速標本を受理後15分以内
  に適切な診断を下し、術者に報告できる。
(3)術中迅速診断に際して、迅速細胞診併用の必要性を適切に判断
  し、実施できる。
(4)凍結切片や捺印標本を用い、腫瘍切断端について適切な判定が
  できる。
(5)術中迅速診断検体を適切に保存し、必要に応じて電顕や分子
  病理など応用技術のための処理をし、また永久標本として迅速
  診断の結果の確認を行うことができる。
Skill level Ⅲ
(1)術中迅速細胞診標本の作製準備について説明できる。
(2)術中迅速診断の凍結切片を作製して染色することができる。
(3)凍結切片の質の良悪を判定して、技師への指導ができる。
(4)術中迅速診断結果に基づいて、適切な治療法への選択について
  術者と協議できる。
基本的な病原組織標本の作製(切出しから標本作製まで)を実施できる Skill level Ⅰ
(1)一般的な外科病理検体についての固定、保存方法とその注意点
  を説明出来る。
(2)各臓器の腫瘍取り扱い規約に基づく基本的な切り出し方法を
  説明できる。
(3)病理解剖および外科病理検体における諸臓器の基本的な
  切り出し法について説明出来る。
Skill level Ⅱ
(1)一般的な病理解剖および外科病理検体について、適切な
  切り出し部位や保存部位を選択肢、切り出し部位や保存部位を
  選択肢、切り出しができる。
(2)病理組織検体を適切に固定し、包埋(パラフィンブロック作製)し、
  薄切ができる。
(3)病理診断に必要な基本的な組織染色について、自ら実施できる。
(4)病理組織標本の質を評価できる。
Skill level Ⅲ
(1)雑または特殊な病理解剖例および外科病理症例について、臨床
  病理学的な検討や教育に利用可能で、かつ病理所見が保存
  されるような組織の切り出しと固定保存を実施できる。
(2)病理診断に関する不適切標本を判断し、原因を推察して技師と
  情報交換し、あるいは指導できる。
病理業務におけるバイオハザード対策を実行できる Skill level Ⅰ
(1)病理検査室で従事者に感染しうる病原体について説明できる。
(2)病理解剖室での基本的な感染対策について、説明できる。
Skill level Ⅱ以上
(1)病理解剖室、病理検査室でのバイオハザード対策を実施できる。
(2)院内感染対策に関して病理医として助言し、自らも実施できる。
(3)細胞診検体取り扱い上の感染に関する注意点を説明、実施し、
  コメディカルの指導ができる。
(4)術中迅速診断検体取り扱い上の感染に関する注意点を説明、
  実施し、コメディカルの指導ができる。
(5)病理解剖室、病理検査室での感染防御のために必要な設備に
  ついて説明し、病院としての対策に助言ができる。
CPC(Glinicop atholo gical conference)や臨床とのカンファレンスにおいて、病理所見を的確に説明できる Skill level Ⅰ
(1)上級医の指導のもと、カンファレンスやCPCで病理所見の呈示
  資料を的確に準備し、説明ができる。
(2)CPCや臨床とのカンファレンスで、積極的に発言できる。
Skill level Ⅱ以上
(1)臨床とのカンファレンスで、症例を呈示し、合理的な結論を導き
  出すことができる。
(2)自らが解剖した症例について、CPCで病理所見と臨床病理学的
  考察の呈示ができる

Ⅲ.求められる態度
病理診断、病理解剖およびCPCなどに際して患者や遺族に対する配慮ができる Basic
(1)病理診断業務で、患者または遺族に直接会って話をする場合の
  注意点を述べることができる。
(2)病理診断、病理解剖およびCPCなどに際して、患者や遺族に
  対して適切な倫理的配慮ができる。
Advance-1以上
(1)患者や遺族と適切なコミュニケーションを取ることができる。
(2)求められた場合、患者や遺族に病理診断結果を適切に伝える
  ことができる。
病理業務において、臨床医と適切に対応できる Basic
(1)病理業務において、臨床医との適切な情報交換・意見交換が
  できる。
Advance-1以上
(1)病理業務において、臨床医に適切な助言ができる。
(2)臨床医が求める病理学的情報や考察を、適切に伝えることが
  できる。
学生、臨床研修医および病理専門医初期研修医に対する病理の指導ができる Advance-1
(1)学生、臨床研修医に対する病理の指導を補助できる。
Advance-2
(1)学生の指導ができる。(大学病院で研修の場合)
①学生に対して基本的な病理学総論の講義ができる。
②BSL(Bedside learning)の学生に、病理業務についての説明や、
  基本事項の講義ができる。
③BSL学生のCPC指導ができる。
(注:学生の指導は、原則として大学付属病院で専門医研修を行う場合に求められる。)
(2)臨床研修医の指導ができる。
①臨床研修医の病理部研修について、適切な指導ができる。
②臨床研修医のCPC研修について、適切な指導ができる。
(注:臨床研修医の指導医は、原則として病理専門医が担当する。)
(3)初期研修医の指導ができる。
①一般的な症状について、初期研修医の病理解剖実績を適切に
  介助し、病理解剖指導ができる。
②依頼病理解剖例を初期研修医のために選択することができる。
③初期研修医の病理解剖報告書作成を指導できる。
④初期研修医の生検、手術材料の病理診断について、一般的な
  症例に関する指導ができる。
⑤初期研修医の細胞診診断について、一般的な症例に関する指導
  ができる。
病理業務に関してコメディカルと協調できる Basic
(1)コメディカルと良好な対人関係を構築し、適切なコミュニケーション
  を取ることができる。
Advance-1以上
(1)コメディカル、臨床検査技師に適切な助言を与え、指導すること
  ができる。
病理診断の精度管理について積極的に関与する Basic
(1)病理診断の精密管理の基本について述べることができる。
Advance-1以上
(1)病理学会が定める、認定施設に求められる精度管理要網を説明
  できる。
(2)病院(大学)および病理学会に提出が求められる精度管理内容
  について、組織し、実行し、分析できる。
①病理解剖室、病理検査室の作業管理について説明し、指導医の
  指導下に実施できる。
②病理解剖室、病理検査室の安全確認について説明し、指導医の
  指導下に実施できる。
③組織標本、特染についての精度管理について説明し、指導医の
  指導下に実施できる。
(3)病理組織標本の質(切片の厚さ、染色性など)を判断し、不良
  標本の原因を推察し、技師に指導できる。
(4)病理診断精度の向上に対して適切な実施策を取れる。
(5)コンピュータを用いた最新の情報交換(文献検索を含む)を実施
  できる。
(6)分子病理学など特殊検査に関する精度管理、精度向上、リスク、
  経済性、検査室管理について説明できる。
学会、研修会、セミナーに積極的に参加する Basic
(1)病理診断学に関する生涯学習について述べることができる。
Advance-1以上
(1)学会、研修会、セミナーに積極的に参加する。
(2)各種セミナーを通じて病理診断学について学習し、各自の診断や
  コンサルテーション内容などを自己評価し、患者の診察に役立てる
  ことができる。
病理業務の社会的貢献に積極的に関与する Basic
(1)病理業務の社会的貢献について述べることができる。
Advance-1以上
(1)がん検診における病理の役割について説明し、積極的に関与
  することができる。
(2)病理業務の地域医療へのかかわりについて説明し、関与する
  ことができる。
(3)医療における病理の役割(予防医学を含む)について、一般市民
  への啓発活動に関与することができる。
人体病理学に関する研究を行い、結果を報告できる Basic
(1)人体病理学に関する研究方法を説明できる。
(2)倫理面に配慮した研究材料の収集ができる。
Advance-1以上
(1)人体病理学の研究計画を立てることができる。
(2)人体病理学に関する研究を実施し、結果をまとめることができる。
(3)症例報告または人体病理学に関する研究結果を学会に発表
  できる。
(4)症例報告または人体病理学に関する研究結果を論文として
  まとめることができる。


Ⅳ.数値目標について
  1. Ⅱ-1、2 剖検:40体以上(診断を附す)。執刀と報告書を別のSBOとし、各項目で50体と記載してありますが、これは共通する症例でも構いません。
  2. Ⅱ-3 生検・手術材料の診断:5000件。
  3. Ⅲ-4 細胞診:1000件以上。これは陽性例のみの件数ではなく、スクリーニングを行った例や陰性例を含めての数です。
  4. Ⅱ-5 迅速診断:50例以上。
  5. Ⅱ-6 標本作製:剖検例2体程度の標本作成することとし、研修施設で評価、さらに専門医師検でも標本作成に関する知識を筆記試験で問う範囲に含めます。
  6. Ⅱ-8 CPCへの症例呈示:2例以上のCPCを病理側として担当することとし、受験資格としてこのレポートの提出を求めています。
  7. Ⅲ-3 学生および研修医指導:50時間以上の関与と、研修医CPCの指導を2例以上(Ⅱ-8と重複可)求めています。他に、数値目標ではなく「指導者・協力者」の項で、Ⅱ-1~8に後期研修医(Advance Ⅱ履修中の研修医)が入っています。
  8. Ⅲ-6 学会、研修会、セミナーの参加:これをクレジットとすることは、受験資格に新しく加えた項目です。
  9. Ⅲ-7 社会的貢献:地域医師会のセミナーや一般の方に対する啓発活動、病理教育活動、がん検診などを指します。
(日本病理学会病理専門医研修カリキュラムより)