臨床工学科

医療技術の様々な分野で技術革新が行われています。当院でも患者さんのためにより良い診療・治療・手術などの高度な医療技術を提供することを目指しています。 どこの病院でも医師・看護師・診療放射線技師・臨床検査技師などのさまざまな職種の人たちが働いていますが、医師以外の診療補助に従事する医療従事者のことを「コメディカル」と呼びます。私たち臨床工学技士もコメディカル職種の一つです。
臨床工学技士の制度は1987年に制定されました。臨床工学技士になるには、定めされた学校を卒業し、国家試験に合格しなければなりません。全国に有資格者は約30,000人で病院・クリニック・医療関連業界で活躍しています。当院では16名の臨床工学技士が働いています。
私たち臨床工学技士には、より高度で専門性の高い業務水準が求められています。医療技術の高度化は必然のことと受け止め、関連学会が独自に行っている学会認定資格取得を目標にしています。現在までに透析技術認定士、呼吸療法士、体外循環技術認定士等の資格者がおり、高度で専門性の高い業務を行うための能力向上とより良い医療サービスの提供を目指しています。

手術室での業務

生命維持管理装置(麻酔器・人工呼吸器等)の保守点検をはじめ、手術の際に使用する電気メス(超音波・ガス)の点検や外科手術に使用する気腹装置の準備・監視を行っています。眼科では白内障手術の機器の補助操作や準備、さらには心臓血管外科(自己血回収装置)、整形外科(顕微鏡・関節内視鏡)、泌尿器科(内視鏡)、産婦人科等、各分野で使用する多種多様な機器を安全に安心して使用できるように対応しています。 特に心臓手術時には、人工心肺装置(心肺停止時の血液循環・血液酸素化を代行)の体外循環血液回路の組立てから、一連の操作やモニターの監視を行っています。手術終了時には、使用した機器の保守点検をして、緊急手術にも対応しています。PHSを所持して24時間、緊急手術に備えています。

2018年9月に手術支援ロボットの最新機種「da vinci Xi」を胆振地域で初めて導入しました。主な業務はペイシェントカート(ロボットアーム部)、サージョンコンソール(操作装置部)、ビジョンカート(モニター部)の3種類の配置と配線、術中は医師の指示のもとにロボットアームのセッティング(ロールイン)、ロボットアームの回収(ロールアウト)、電気メス、気腹装置、録画装置の管理、トラブル時の対応を行います。術後は装置の回収、洗浄後滅菌業務、消耗品の在庫管理等を行っております。

<除細動器>
規律よく収縮・弛緩を繰り返している心臓のリズムが乱れ、心
臓のポンプ機能が低下し、血液を拍出できなくなった状態のと
きに、心臓に強い電気的な刺激を与え、心筋細胞を興奮させる
ことにより、心臓を元のリズムに戻す装置です。

<血液ガス分析装置>
少量の血液で血液中の酸素・炭素ガスの分圧、酸素量、電解
質、血糖などのさまざまな情報を短時間で測定する装置です。

 

<生体監視モニター>
心臓が拍動時に発生する微小な電位を画面に表示して、波形
変化を監視する装置です。
主に心臓の不整脈や心拍数の変化など、長時間の監視に使
用します。

ICU(集中治療室)での業務

ICUは呼吸・循環・代謝機能不全や手術後に一時的に集中的な治療や生命維持管理を行う場所です。ICUには人工呼吸器・血液浄化装置、補助循環装置、ペースメーカー、心電図モニターなどの医療機器・生命維持管理装置があります。私たちはそれらの装置の準備や操作を行い、常に正常に機能するように保守点検を行っています。また、医師・看護師と連携して集中治療が可能な体制をとっています。

<IABP駆動装置>
足の付け根の動脈より風船付きカテーテルを下行大動脈に留
置し、心臓の拍動に合わせて風船を収縮・拡張させ、心臓の負
荷を減らし、サポートする装置です。

 

 

<持続的緩除式血液濾過装置>
急性腎不全を合併した心不全・肝不全などで循環動態の不安
定な患者に使用する装置です。

 

 

 

<PCPS装置>
足の付け根の動脈と静脈にカテーテルを挿入、ポンプを使用し
て血液を循環、人工肺にて酸素化して血液を全身に送る装置
です。

 

<人工呼吸器>
重篤な呼吸不全や術後患者などの呼吸管理に使用される、呼
吸を補助・代行する装置です。

 

透析室での業務

透析室内の透析装置・関連する医療機器の保守点検・操作・修理を行なっています。具体的には、使用する物品・薬液の準備、使用材料の組み立て・洗浄、機器の操作、穿刺業務(透析に使用する血管に針を刺すこと)や治療中の機器の点検、患者の観察、治療終了後には水処理装置(透析に使用する水をきれいにする装置)・透析液供給装置(透析に使用する薬を作成する装置)・患者に使用する透析監視装置の洗浄・消毒を行っています。
現在は製鉄記念室蘭病院透析室・サテライトクリニック高砂・サテライトクリニック知利別の3施設に臨床工学技士を配置して透析装置・透析液の検査(きれいな水になっているか確認)を臨床工学技士が中心となって行い、安全・安心な透析治療ができるように努めています。

<透析装置>
腎臓の働きを代行・補助する装置です。血液を循環させ、血液に必
要なものを補い、不要なものを除去します。

 

 

機器管理業務

関連医療機器の保守点検・修理(人工呼吸器・除細動器・シリン
ジポンプ・輸液ポンプ・保育器・ガス分析装置・生体情報モニ
ター・自動血圧計など)や、機器の貸し出し業務(シリンジポン
プ・輸液ポンプ・人工呼吸器)、医療ガスの点検、酸素ボンベ交
換、病棟での血液浄化を行っています。PHSを常時所持し、緊
急時に対応しております。

<シリンジポンプ>
微量ずつ注入しなければならない薬を正確にコントロー
ルし、時間あたりの設定流量を正確に注入する装置です。

 

 

高気圧酸素治療室での業務

高気圧酸素治療装置とは高い気圧のもとで酸素を吸入させることで、血液中の酸素を増やす方法でさまざまな疾患の治療に用いられます。ここでは高気圧酸素治療装置とそれに関係する機器の保守点検・操作を行います。また安全に治療が施行されるように、治療中の患者観察を行っています。

<高気圧酸素治療装置>
高気圧下で酸素を吸入させることで血液中の酸素を増や
し、さまざまな疾患の治療に用いられます。

 

 

ペースメーカー業務

ペースメーカーとは不整脈(極端に脈が遅くなったり、早くなったりしてみだれること)の治療に使用する機器です。特に脈が遅くなる(徐脈)に対して心臓の動きが順番どおりに動くように補助するのが目的で使用されます。
ペースメーカー植込み手術時に正常に動作しているかを専用装置(アナライザ)を使用して確認します。植込み後約1週間後にも専用装置(プログラマー)で外から設定の確認・変更を行います。ペースメーカー外来では定期的に(約6か月毎)患者さんのペースメーカーの状態を循環器医師と共に確認します。必要があれば設定の変更も行っています。

新たな業務

整形外科手術業務で2013年6月17日より当院に導入された術中モバイルCT(O-arm)とコンピューターナビゲーションシステム(StealthStationS7)の術中操作・補助業務を行っております。これは、術中CTで得た情報をもとに光学式ナビゲーションで、手術器具に取り付けられたマーカの赤外線を光学カメラが捉え、三角測量の原理でその位置を計測します。具体的に申しますと、術中使用している手術器具の位置と患者のCT画像が同一画像内でリアルタイムに表示されており、手術部位の計測や画像の保存その他各種操作を行っています。
患者さんにとってより安全で円滑な手術が行えるように取り組んでいます。