心臓血管外科 後期臨床研修プログラム

心臓血管外科における研修では、基本的バイタルサインの測定と解析、手術適応のある循環器疾患の血行動態など、病態生理の理解およびその応用を実地体験し、心臓・大血管、末梢血管手術のみならず、救急医療と集学的医療の基礎となる知識、技能、および態度を修得していただきます。

副院長・心臓血管外科長 赤坂 伸之(指導責任者)

◆基本方略

1.指導医とともに手術症例に携わる

 ・開心術(人工肺使用手術)の適応と限界、利点と欠点を正しく理解する。

 ・手術し参加し、直接携わることで、症例に対するより深い理解得る。

 ・マイナー手術に参加し、基本的な外科手技を取得する。

2.指導医とともに手術症例の術前管理、術後管理に携わる

 ・全身管理に必要な基本的知識と基本的手技を習熟する。

 ・患者とその家族に医療の内容を正しく理解できるように伝え、信頼関係に基づく医療を実践する習慣を身につける。

3.ケースカンファレンス、文献抄読会等に参加する

研修週間スケジュール

8時~ 抄読会 ICU回診 ICU回診 ICU回診 ICU回診
8時30分~ ICU回診

病棟回診

病棟回診 病棟回診 病棟回診 カンファ

病棟回診

午前 術後管理

外来

開心術参加 開心術術後

管理

血管造影

血管手術参加 術後管理

血管造影

午後 血管ドック

局麻麻酔

ER

開心術術後

管理

ER

インターベンション

ER

血管術後管理

術前・術後症例検討会

インターベンション

術前カンファ

ER

時間外 ER ER ER ER ER

研修目標

1.医の倫理に基づいた適切な態度と習慣を身につける

  • 当院赴任時の研修開始時にオリエンテーションを受ける。
  • 当院倫理委員会で編集した医の倫理のパンフレットを配布。
  • 年1~2回、定期的に病院勉強会で医の倫理に関連した講演会を開催するので、その講演会に参加する。

2.医療安全管理セーフティマネジメントの研修を受ける

  • 当院赴任時の研修開始時に、当院の安全管理基準を含めたオリエンテーションを受ける。
  • インシデントレポートは率先して提出する体制となっている。
  • 年1~2回、定期的に病院勉強会で医療安全管理についての講演会があるので、その講演会に参加する。

3.生涯学習を行う方略の基本を習得し、実行できる

  • 院内、市内および近郊の講演会に積極的に参加する。
  • 地方会の演者として、年4回以上の発表を行う。
  • 関連した全国学会への参加を年2回認める。また、演題登録も2回行う。
  • 院内で看護師などの医療従事者に対する勉強会を年2回以上担当する。

4.医療経済・保険について研修する

  • 毎月、レセプト委員会が開かれており、全員参加を原則としている。
  • 担当患者のレセプトチェック、診療情報提供書の記載を行う。
  • 身体障害者認定医の申請を行い、取得する。

修練1年目(卒後3~4年目)

◆一般目標

  • 患者面談を的確に行うことができる
  • スタッフとの協調性を取ることができる
  • 心臓・血管リハビリの理解とオーダー、評価ができる

◆行動目標

  • 心血管の解剖、病理について習得する
  • 心血管疾患の診断と病態の評価ができる
  • 基本的血管吻合の技術を習得する
  • 大腿動静脈の剥離・露出ができる
  • 人工血管の構造、種類などを理解する
  • ペースメーカーの機能を理解する
  • 人工心肺を含めた体外循環技術を習得する
  • 術後合併症の早期発見を含めた集中治療ができる
  • 血液浄化法を理解し、操作できる
  • 人工呼吸器理解し、最適な換気条件を設定できる
  • IABPの適応などの理解、および挿入ができる
  • 心肺疎生を含めた救急処置ができる
  • 術前患者のプレゼンテーションができる

◆研修方略

  • 心血管の解剖、病理について習得する
  • 観血的動脈血摘除術の第1助手を務める
  • 腹部大動脈-大腿動脈バイパスの第1助手を10例以上務める
  • 大腿動脈、静脈の剥離・露出を助手として20例以上、術者として10例以上こなす
  • 下肢静脈瘤ストリッピング術の助手を30例以上、術者を20例以上こなす
  • 開心術の人工心肺操作を5例以上経験する
  • IABP挿入時は術者となる
  • ペースメーカーの挿入を10例以上経験する
  • カテーテルによる動脈造影を50例以上経験する

◆学会

  • 地方会で年4回以上発表する
  • 全国学会には年1回参加することができる
  • 人工臓器セミナーに1回参加することができる
  • 北海道外科学会雑誌同等の雑誌に発表した論文を1題は投稿する

 

 

修練2年目(卒後5~6年目)

◆行動目標

  • 心臓血管疾患の疫学を理解する
  • 個々の疾患の自然予後、当施設含めた施設ごとの手術成績を把握し、患者に対して最適な医療を提供する
  • 他診療科との連携した診療を行うことができる
  • 血管内治療における診断、手技を習得する
  • 腹部大血管の剥離・露出ができる
  • 腋窩動脈の露出ができる
  • 院内勉強会で積極的に講演する
  • 手術を執刀する患者の主治医となる

◆研修方略

  • 腹部大動脈瘤の手術を第1助手として10例以上、執刀医として5例以上経験する
  • 大腿-膝窩動脈バイパスの第1助手・術者を含めて20例以上経験する
  • 大腿動脈の吻合を術者として行う
  • 代用血管にする大伏在静脈の採取ができる
  • 下肢静脈瘤手術の指導ができる
  • 動脈血栓摘除術の指導ができる
  • 内シャントを5例以上執刀する
  • 開胸・閉胸ができる
  • 下腸間膜動脈の血行再建ができる
  • 人工心肺を患者に装着できる
  • 心エコー、末梢血管エコーを操作できるようになる

◆学会

  • 地方会で年4回以上発表する
  • 全国学会には年2回参加することができる
  • 全国学会に2題以上演題登録する
  • 論文は1題以上投稿する

修練3年目(卒後7年目以降)

◆行動目標

  • 主治医として患者・家族への対応を行う
  • レセプトの請求を行うことができる
  • 院外での講演会・学会での積極的講演を行う
  • 胸部大動脈の剥離・露出ができる
  • 頸動脈および椎骨動脈の剥離・露出ができる

◆研修方略

  • 腹部大動脈瘤の執刀を10例以上経験する
  • 上行大動脈瘤手術の術者となる
  • 冠動脈血行再建術の第1助手となる
  • 単弁置換術の第1助手を経験し、5例以上術者として執刀する
  • Maze手術の術者となる
  • 内胸動脈の剥離を行うことができる
  • 一枝バイパスの術者を経験する
  • 大腿-脛骨動脈の第1助手となる
  • 腹部骨盤領域の血行再建術の指導ができる
  • 上枝動脈バイパスの術者を経験する
  • 開胸・閉胸の指導ができる
  • 体外循環の患者装着への指導ができる
  • 内シャントの再手術を執刀する

◆学会

  • 地方会は可能な限り参加する
  • 全国学会には年2回参加することができる
  • 全国学会に2題以上演題登録する
  • 論文は年2題以上投稿し、1題は英文誌に投稿すること