代表症例(産婦人科)
主な婦人科疾患を8つ紹介しています。
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子宮頸部(子宮の入口)から発生するがんを「子宮頸がん」といいます。
性交によるHPV(ヒト乳頭腫ウイルス)感染が原因で、近年では特に20~30歳代に急増しています。
初期には無症状で、子宮がん検診を受けないと発見は困難です。進行すると水様性・血性のおりもの、不正性器出血(特に性交後)、腰痛などの症状が認められるようになります。

子宮体部(子宮の奥)から発生するがんを「子宮体がん」といいます。
エストロゲンの影響で子宮内膜増殖症を経て発生してくるタイプと、エストロゲンと無関係に直接癌化するタイプがあると考えられています。
50~60歳頃が好発年齢で、閉経後に多いのですが、不妊、肥満、月経不順、不正性器出血などのある方は閉経前であっても要注意です。特に持続する不正性器出血は主要な症状で、90%以上に認められ、初期段階よりみられます。

卵巣から発生するがんを「卵巣がん」といいます。
卵巣から直接発生する場合や、チョコレート嚢胞(内膜症)や成熟嚢胞性奇形腫などの良性腫瘍が悪性化する場合、また、胃がん、乳がん、大腸がんからの転移性悪性腫瘍の場合も比較的多くみられます。
好発年齢は40~50歳代ですが、逆に20~30歳頃に発生しやすい特定のタイプの悪性腫瘍もあります。
早期発見が困難な場合が多く、3ヶ月前の診察で異常を認めなかったのに進行癌で発見されるケースもあり得ます。
初期には無症状のことが多く、進行すると腹部腫瘤触知、腹痛、腰痛、頻尿、便秘、食欲不振などの症状が認められるようになります。

子宮の平滑筋から発生する良性腫瘍を「子宮筋腫」といいます。
現在のところ、発生原因は解明されていませんが、発育にはエストロゲンが関与しています。欧米では30歳以上の女性の20~30%に認められるとされており、最も頻度の高い婦人科領域の良性腫瘍です。
月経困難、過多・過長月経とそれに起因する貧血、大きなものでは頻尿、便秘、腹部腫瘤触知などの症状が認められ、不妊に関係する場合もあります。また、卵巣腫瘍、子宮肉腫、時には子宮体がんなどとの鑑別が問題となるケースもあります。

本来であれば子宮の内面だけに存在するはずの子宮内膜様組織が、子宮腔内面以外の組織や臓器などに異所性に存在し、増生するために生じる病態のことを「子宮内膜症」といいます。
発生部位によって呼び方が異なり、子宮筋層に発生する子宮腺筋症、骨盤腹膜に発生する子宮内膜症があります。また、肺、膀胱、腸管などに発生する場合もあり、異所性内膜症と呼ばれています。これらの他に、卵巣に血液が貯留して袋状になったものはチョコレート嚢胞と呼ばれています。
発生原因は必ずしも明確にされているわけではありませんが、月経時に月経血が卵管を通って腹腔内に漏れ、同時に子宮内膜も運ばれて腹膜に移植する経卵管移植説や腹膜自体が内膜症組織に変化する体腔上皮化生説、その両方が組み合わされて発生するとされる複合説、リンパ管・血管を経由した転移説などが提唱されています。
症状は月経困難、腰痛、月経以外での腹痛、排便痛、性交痛、不妊、過多月経、不正性器出血などです。

卵巣に発生する良性の腫瘍で、袋状に内部に分泌液が貯留するものを「卵巣のう腫」といいます。
漿液性のう腫、粘液性のう腫、成熟のう胞性奇形腫などが代表的なもので、それぞれ水様、粘り気のある粘液、脂肪成分が貯留します。大きくなると腹部腫瘤触知、腹部膨満感などが認められます。しかし、あまり大きくなくても、捻転して急性の腹痛を起こす卵巣のう腫茎捻転、破裂、そして悪性化するケースもあります。
いずれにしろ、良性か悪性かの診断は、摘出して摘出物の組織検査をしてみないと100%は断定できませんので、治療と診断を兼ねて、手術を考慮することになります。

ある一定期間、避妊することなく性生活を行っているにもかかわらず、妊娠しない場合を「不妊症」といいます。
一定期間とは、国内では2年以上、国際産婦人科連合では2年、アメリカ生殖医学会では1年とされています。
一度も妊娠したことがない原発不妊と、過去に妊娠・分娩した経験がある女性がその後妊娠しない続発不妊があります。
原因は排卵障害、卵管閉塞、子宮因子、頸管粘液分泌不全、男性因子、子宮内膜症、黄体機能不全などがあげられますが、原因不明の場合も少なくありません。

更年期にあらわれる多種多様な症状の中で、他に原因があるものを除いて更年期症状と呼び、さらに日常生活に支障をきたす状態を「更年期障害」と呼んでいます。
更年期とは閉経の前後5年間をいい、日本国内での平均閉経年齢は50.5歳ですので、およそ45~55歳くらいの期間になります。
更年期障害の主な原因は、卵巣機能の低下によるエストロゲンの欠乏ですが、これに加齢に伴う身体的変化、精神・心理的な要因、社会文化的な環境因子などが複合的に影響して症状があらわれると考えられています。
